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このSSには罪の無いゆっくりれいむ、ゆっちゅりー、体つきゆっくりゃが虐待されます。 また、ゆっくりめーりんが登場します。 嫌な方は見ないで下さい。 ゆっこーまかん 前編 ここは幻想郷の森の中、かの有名な紅魔館から少し外れた暗い森の中。 人がやっと一人入れるような小さな洞穴があった。 洞穴の中にはヒカリゴケの明かりがともされ、少し埃っぽい空気で満ちていた。 その洞穴の中に鎮座するは人でもなく動物でもなく、虫や魚でもなく漬物石ほどの大きさの 奇妙に蠢き奇声を挙げる存在が3つあった。 「ゆっ!そのごほんをれいむにちょうだいね!」赤いリボンの下膨れの饅頭のような物体が かくもたどたどしい言葉で、かつ中途半端に枯れた汚い言葉遣いをしている。 これがゆっくりれいむ、幻想郷で近年話題の人間の特徴を備えた饅頭妖精の一種である。 「むっきゅ!~!!??ちょれはぱちゅりいのだよ!かってにもってがなぁ~いでっ☆」 シュークリームの皮のような帽子らしき物体を被ったそれは目が半分しか開いておらず舌を だらしなく垂らしては引っ込める。不気味に結ばれた紫の紫蘇と思しき髪の毛に相当する部分は ぼいん、と動くたびに不可解なリズムで揺れる。 「うぎゃおー!ごごはれみぃさまの「ごーまがん」だどっ!やかましくするなー!きぃーーーーー!!!!!!」 誰よりもやかましい物体はなんと人間の幼児ほどの体をそなえたゆっくり、ゆっくりゃ(ゆっくりれみりゃ)である。 これまた肉まんのような帽子を被り、ババクサイ服を着てへらへら笑いながら手を絶妙なリズムでスライドさせながら 踊っている。背中に付いたお飾りの羽もつられて踊っている。この種は体つきになると羽が使えなくなるのだが 本体の意思に応じてご都合主義的に動くことができるのだ。もっとも、空を飛ぶほどの力は無い。 「ゆっ!くっせえ!めっちゃくせえ!ゆちゅりーこのごほんきたなくてくっさいよ!じちょうしてね!」 れいむはそういって口に咥えた本を振り投げて捨て去る。 「むっ牛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」 「むっ牛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!ユヂュディのでえじなでえじな「ごぼん」があああああ!!」 号泣するゆちゅりー。 「むーぎゅー♪ぱちぇはがーわいーいどー♪」 汚いダンスを続けるゆっくりゃはまるでこの狂想曲を指揮しているかのようである。 「じゃあお☆じゃあお☆ぱっどちょーじゃあお☆」 そこにのこのこと現れたのは辛そうな赤い髪をしたゆっくり、ゆっくりめーりんである。 「ごっ、メーディンいーどごおいで。デイブとぱちぇがじぇんがしているど♪」 どうやらゆっくりゃは「来たね」と「おいで」を勘違いして使っているらしい。 知能が幼児並というゆっくりの中でもとりわけアホのゆっくりゃはコミュニケーションに必要な最低限の能力すら欠如しているようだ。 「じゃあお☆れいむう。ぱあちぇ。ジェンガはやめるんじゃお☆」 めーりんもやはり「けんか」を「ジェンガ」と勘違いしている。 そもそもゆっくり種が人里へ出ることは何らかの手段で処分されることを意味しているので 何でゆっくりが人語を解する上喋ることができるのか、理由は謎に包まれたままである。 「ゆっ!ゆっくりしていってね!!」 「むっ。むっきゅりしていってね!」 「うっ!たーべちゃーうぞー♪しゃくやー♪」 れいむに続いてゆちゅりーもゆっくり種に固有の挨拶「ゆっくりしていってね!!」を唱和した。 しかしゆっくりゃだけは相変わらず自分の世界から抜け出さない。 この種は何かゆっくりとは違った存在なのかもしれない。もっと恐ろしいものだ・・・!! 調停するジャオ。 「じゃおじゃお」 「ゆゆ?」 「ウジャジャ、じゃーお、じゃーお、じゃじゃーん!」 「ゆゆっ!ゆー☆ゆゆんゆさいぱちゅりー!」 「むっ。わかればいいのよ」 さも当然な表情をするゆちゅりー。 イライラしてきた一人ぼっちにされたゆっくりゃはストレス発散に叫ぶ 「んー・・・・ぎゃおー!れみぃさまはごーまがんのおぜうさまだど♪うあうあ♪」 「じゃおお。それはりくつがおかしい」 冷静な表情で反論するジャオ。 「じゃおー!デヴィのいうどおりにずるどー!!」 きれたゆっくりゃは汚い涙を溜めながらジャオを豚みたいな手で殴る。ヒヅメ付きだから結構痛い。 パシッ「じゃ」 ぺちっ「ジョン!」 どすっ「JAOOOOOO!!」 こめかみにヒヅメがクリティカルヒットした。ジャオは悲しそうだ。 「わじゃじゃじゃ・・・!!」 涙が溢れ、口角を上げようと必死でこらえている。 「・・・・・・・!!!」 「うっうー♪プリンをちょうだい?さくや!」 「ゆっ!れみいは言葉が上手くなったね!」「むきゅ。これはちんぽだわ」 「進歩」をあられもない言葉と言い間違えたゆちゅりー。 「ゆっ!ぱちぇ今のはちんぽじゃないよ!ちんぼだよ!」 「むきゅ?むぅ~、ち~んぼっ!わかったわむきゅきゅ」 クールに笑おうとするゆちゅりー。ますますひどい。 りん。 「・・・・・ゆ?」 鈴の音がする。 りん。シャン。りん。 その音は近づいてくる。 「ゆっくりだれかがきたよ?」 「うー?デヴィのおうぢにおきゃくざま?」 その少女は現れた。美しい着物に身を包んだ黒髪の美少女。 稗田阿求、通称AQNである。 「うふふふふふ・・・ここね・・・ついにつきとめたわ」 AQNは体のあちこちに色々な植物や森の障害をくっつけて微笑んでいる。 彼女はゆっくりを殺すことに生きがいを感じていた。異常性癖と言えるがそれは限られた命が可能にした一瞬の輝きである。 「ゆ?おねーさんはゆっくりできるひと?」 「なによ、ごほんよみにきたの?」 「うーうー!こんやはたのしいよるになりぞーで!」 「じゃおお!ここはとおさないぞ!」 様々な反応を見せるゆっくりたち。AQN嬢は微笑んだまま動かない。 「うふふふ・・・そうね・・・いいわ・・・。」 「・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・・・・ねえ、おねえさんをゆっくりさせて?」 「ゆ?ゆっくりしていってね!」 「むっきゅりしていってね」 「ぎゃおー!ぶっでぃ~ん☆ぷりんをちょうだい、さくや?」 「わじゃじゃじゃじゃじゃwww」 どうやらゆっくりしたいという意思表示だろうと安心した様子のゆっくり達。しかしそれは違っていた。 むんずっ 「じゃお?じゃあい!おそらをとんでるみたいじゃお!」 嬢はジャオを掴んでいた。人間から見てサッカーボールほどの大きさしかないそれを掴むのはとても容易い。 重さも2キロくらいで丁度持ちやすい。ジャオは自分に迫る危機に気が付かないで浮かれている。 「じゃじゃじゃwwwわじゃじゃじゃじゃじゃwww」 下品な表情で楽しそうにしているジャオを見たAQNは感じていた。 自分の核心が心臓の鼓動と共に脈打ち、隆起してくるのを感じた。 「・・・・・はぁ・・・・あぁ・・・・・ねぇ、おねえさんの方向いて?」 「じゃん!」 ジャオはうれしそうに向いた。 ドシャ 瞬間、ジャオの体は嬢の手に隠し持っていた飛び出し式鉤爪で引き裂かれた。 これは厚い皮を誇るジャオですら内部から全て8片に刻む優れものだ。 「むじゃ~あああん、ジョオオオオオオン!」 目は飛び出し、赤い髪は地面に落ちる。ジャオの最後はあっけなかった。 「ゆ、じゃ・・・お・・?」 「むきゅ、じゃお・・・?」 「うー?・・・ジャオ?ジャオおおおおおおおおおおお!!!??」 三匹の叫び声が木霊した。嬢は爪を舐める。 「ああ・・・この醤(ジャン)の味・・・ふぁっ!」 ビクン 嬢の核心が大きな快楽で震えている。脊髄を通る快感に嬢は打ち震えた。 「ゆ~~~~~~!!どぼじでじゃおをごろじだのおおおおお!!!」 「むぎゅぎゅぎゅぎゅ!!!じゃおをあのよへもっでがないでええええ」 「んー!んー!デヴィがだべだがっだのにいいいい!」 3匹は大きく泣いていた。 「んふ、あん、・・・ふぅ。気持ちいいわ。こんなのやめられるわけないじゃない。さ、次はどのこにしようか・し・ら☆」 ゆっこーまかん 中篇 ジャオの醤を指に付け、物欲しげな雌の目で人差し指、中指をしゃぶる少女、AQN 涎にまみれた指をいとおしそうに見つめながらゆっくり達へ目を移した。 「はあ・・・はあ・・・・はあ・・・ああ・・・こんなにかわいらしい本棚があるわね」 「むきゅっ!それはぱちゅりーのごほんでつまっているよ!」 ゆちゅりーが目を潤ませながら嬢の袴を掴んで止めようとする。振り返って嬢は 「あら?そういえばこんなところにとてもちっちゃなむらさきもやしさんがいたのね」 「むきゅん!ぱちゅりーはむらさきもやしなんかじゃないよ!」 「あら?否定するとどうなるかわかる?・・・んふふ・・・」 そう言うと嬢はおもむろに本の一つを取り出しめくる。破り捨ててやろうという魂胆である。 中身はスーパーの広告チラシや電話帳の切れ端で作られていた。 所々クレヨンか何かで落書きされた跡がある。嬢は不思議に思って尋ねた。 「あら、・・・ねーぇ、もやしちゃん?」 「む~きゅ~??なあにお姉さん?・・・っぱぱちぇはもやしじゃないよ!」 ゆちゅりーはもやしと言われても否定をし忘れた。 「このぉ、・・・ご本は何が書いてあるのォ?・・ねぇ、お・し・え・て?」 「むっきゅん!しょれはね、ぱちぇのだいじなでえじなけんきゅうざいりょうなんだよっ」 「研究・・・材料?ここは何が書いてあるの?」 嬢は広告の「特選土用うなぎ 1980円」の部分を見せた。 「むっきゅん!それはね・・・とくせいのおやつでぱちゅりいがみりょくてきないせいになるには・・・」 ぶちっ 嬢の中で、何かが切れた。ゆちゅりーから本を取り上げる。 「むきゅ!まだごほんよんでるの」「しゃああああらくうううせえええええいいい!!!!」 ビリビリビリ! 「ぶぎゅううううううん!!!!」 嬢は本をビリビリと破き、地面に落とした。 ゆちゅりーは半月状の目から溢れんばかりに涙を流し、地面の本に駆け寄る。 「どぼじでやぶっぢゃうのおおお!!!ばぢぇのでえじなでえじなごぼんが」「カスが」 嬢は興奮が止まらず、本、いや紙くずを踏みにじる。紙が泥と砂でぐしゃぐしゃになっていく。 ぱちゅりーがだいじにしていた、とくせいびようほうのかかれたごほんが・・・・。でえじにしてたひみつのむきゅりかたがよめないよお・・・・・・・・・・ ゆちゅりーの無い頭の中で思いのようなものが蠢く。 ゆちゅりーは足が震え、嬢の前に跪くと紙くずを寄せ集めようと必死になった。 「むきゅ、むきゅ、・・・っげふんげふん!むきゅむきゅ。・・・げふん!むきゅ。」 「ゆぢゅりいいいいい!!ゆっぐりだずげるじょ!!!」 「ああ・・・いい声ね・・・。むふっ、私・いけないこだわ・・・あぁん☆」 嬢はそういって股間に手を寄せて微妙な振動を与える。 一方喘息の発作を起こしたゆちゅりーの元にそれまで呆然としていたゆれいむが慌てて駆け寄る。 ゆれいむはゆちゅりーの頬を舐めてなだめる。 「ゆ。ゆ。ゆ~~!ぱちぇははやくげんきになってね!れいむがたすけるよ!」 「むきゅ。・・・ありがちょ。」 「・・・ふあああああん!!・・・ぁあ~、イッちゃったわ・・・さて、と」 「ゆっ。まかせてね!ってぎょおおおおええええええ!!!??」 誇らしげなゆれいむの頭の先を頂点を迎えた嬢が持っていたナイフですっと切り取る。 りぼんはかろうじて外れないで餡子だけを上手く露出させることに成功。 「むっぎゅううううううん!!??(>.<Uつo でいぶどぼじだのおおおおお!!?」 「ゆゆゆゆああああああ!!!!ゆ~・・・ゆ~・・・ぱちぇでいぶあだまのざぎがおがじいよおおおおお」 「むっぎゅん!!はやくよぐなっでな!よぐなでえええ!」ぺちょ・・・ぺちょ・・・ ゆちゅりーは訛りながらゆれいむの頭を舐める。実は甘いことに気づいたゆちゅりーは舐める速度を早くする。 「べちょっ!うっめむきゅ!これめっちゃうめむきゅ!べろべろベッチョン!」 「ゆああああああああ!!!」 ますます苦しむゆれいむ。それを見た嬢は思いついた。 「・・・あらあら・・・んふっ☆・・・イイこと思いつーいたっ。」 嬢は地べたに座り、袴をたくし上げて少女の秘部を露出させる。 それはいかなる文学的な表現を以てしても喩え尽くす事の出来ない楽園である! 弛まぬ人類の歴史を通して幾兆の男達が夢見、そして目指した偉大なる目的。 それは花びらを飛び立つ蝶の一片の燐粉ですら覆い尽くす事の出来ない幻の愉悦。 ああ、このいとおしく、かつ悩ましい存在のためにどれだけの文学が現れては消えていったことか!! ひとまずそこまでにして、嬢はゆれいむの餡子を指ですくう。 「ゆげっ」 「ごめんねー。治療するからね。」 「むきゅ!わたしのれいむになにをするの!?はしたないよ、おねえさん!」 「・・・んふ。私、そんなにぃー、・・・・・・はしたないかしら?」 「そうだよ、はしたないむきゅ!」 「れいむを治してあげたいわよね?」 「むきゅ!当たり前だよ!」「ゆぐう!はやぐなおじでねええええ」 「じゃあ治してあげる。今からおねえさんの言うとおりにしてね?」 「むきゅ!何でも手伝うよ!」「ゆぶぶぶぶぶ」 れいむは口から泡を吹いている。嬢はその餡子をおもむろに秘部に塗りたくった。 「むきゅきゅ!!??なにじでるのおねいざん!むっきゅりなおじでね!?」 「はぁ・・・はぁ・・・じゃあ、ングッ、・・・じゃーぁ・・・・おねえさんの餡子にまみれたここ、舐めてくれるぅ?」 「むぎゅ!!?ほんとになおるの?げふんげふん」「パ・・・ヂュディ・・・」 つづく このSSに感想を付ける
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多数の設定お借りさせていただいています セリフすっきり 出産要素 家族 ・赤ちゃん ***************************************************************** 赤ちゃんのゆっくり返し ***************************************************************** れいむは今までのゆん生を振りかえっていた。 やさしいおかあさんとたくましいおとうさん、 たくさんのおねえちゃんたくさんのいもうとに囲まれてゆっくりした日々。 おさんぽ途中に出会いひとめぼれしたまりさ。 思い切って告白したらまりさも好きと言ってくれた感動。 大好きなまりさと一緒にいれる毎日。 なら次にすることは…。 「ねぇ、まりさ」 「なに?れいむ」 「れいむたちゆっくりしてるけどさ」 「うん」 「あかちゃんがいればもっとゆっくりできない?」 「そうだね!あかちゃんがいればとってもゆっくりできるね!」 「じゃあ…しよ?きて…まりさ…」 「うんいまいくよ…」 「「んほおおおおぉぉぉぉぉ!!すっきりいいいぃぃぃぃぃ!!!」」 真夜中の山に響くゆっくりのクライマックスな叫び声。 行為が終わった後自分のお腹がふっくらと膨らんでいくのが目に見えた。 「ゆゆ?れいむにんっしんっしたよ!」 「やったねれいむ!かぞくがふえるよ!」 赤ちゃんが生まれたらどんなことをしようか。 一緒にいっぱいゆっくりできるご飯をむしゃむしゃしよう、 一緒にいっぱいおひさまに当たってぽかぽかしよう、 一緒にいっぱいおうたをうたおう、 一緒にいっぱいすりすりしよう、 一緒に…。 れいむが未来に見えるすばらしいゆっくりエブリディを想像している横で、 まりさはすっきり疲れか早々に寝込んでいた。 にんしんっしたその日かられいむは無性にお腹が減るのを感じた。 きっと赤ちゃんに栄養を欲しがっているんだ。 まりさにゆっくりできるご飯をたくさん取ってきてもらおう。 「あかちゃんのためにおいしいごはんをたくさんとってきてね!!」 「まりさがんばるね!」 まりさが外で頑張っている間は何をしようか。 そうだ、赤ちゃんがゆっくりできるようにおうたを歌ってあげよう。 「ゆっくりそだってね!あかちゃん!」 「ゆ~♪ゆゆゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪」 おうたを歌い疲れて眠ってしまっていたところにまりさが帰ってきた。 帽子にたくさんのご飯が詰まっている。むしゃむしゃして赤ちゃんをゆっくり育てよう。 「ただいまれいむ!あかちゃんのためにたくさんむしゃむしゃしてね!」 「これであかちゃんがゆっくりできるよ!」 「じゃあいただきますを「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」 「もうぽんぽんいっぱいだよ!あかちゃんゆっくりそだってね!」 たくさんご飯を食べたらもうお空が真っ暗。 早く寝ないと赤ちゃんゆっくりできないよね。 「おやすみ!まりさ!あしたもゆっくりしていってね!」 赤ちゃんのため食っては歌い食っては眠りの生活が始まってからしばらくしたら、 お腹がにんっしんっする前の自分が入ってしまいそうなくらい膨らんだ。 たまに自分の意思に反してお腹がピクピクと動くことも増えてきた。 もうすぐ赤ちゃんに会える、とってもゆっくりした赤ちゃんに…。 そのためにはたくさんゆっくりしてあげないと! 「まりさ!きょうもよろしくね!」 「…うん!まりさがんばるよ!!」 ***** ところ変わってれいむのお腹の中。 すでに形の整った5匹の赤ちゃんが相談していた。 「おきゃーしゃんとっちぇもゆっくちしてるね!」 「ゆっくり♪ゆっくり♪」 「そのゆっくちにまりしゃはどうやっておかえちしようか」 「ゆゆーん♪そんにゃのかわいいれいみゅをみればいちころだよ!」 「まりしゃそれだけじゃたりないようなきがするよ!」 「「「「ゆゆ??」」」」 一番の親孝行はゆっくりしている自分を見せることだ。 それだけではいけないのか?他の赤ちゃんが驚いた。 「きょれだけおきゃーしゃんがゆっくちちてくれてるんだもん! まりしゃたちをみるだけじゃおかえちにならにゃいかも」 「「「「ゆー……」」」」 とってもゆっくりしているお母さん。 そんなお母さんをゆっくりさせるには自分を見せる以外のワンポイントゆっくりが必要。 そう感じて赤ゆっくりたちは考え込んだ。 「れいみゅゆっくちおもいついちゃよ!」 「どんにゃことしゅるの?」 「れいみゅきゃわいいことびゃをつかっちぇゆっくちしゃせてあげりゅよ!」 「どんにゃの?ゆっくちおしえちぇね!」 「こうやりゅんだりょ!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!!」 「ゆゆーん♪しゅっごくゆっくちちてるね!」 赤れいむは舌っ足らずなしゃべりを磨きにかけることで、 母性本能ならぬゆっくり本能を刺激しようと考えた。 「まりしゃはわいるどにいくよ!」 「ゆっくちきににゃる!」 「『ゆっくちちていってね!』いがいのあいさつをしゅるよ!」 「かっきょいいね!」 赤まりさは『ゆっくちちていってね!』と言わずに、 自分オリジナルの挨拶を実行することで、 今までの赤ちゃんとは何かが違う感を出すことにした。 「れいみゅはへんかきゅうだよ!」 「へんきゃきゅう?」 「うちろからうまれりゅよ!」 「おきゃーしゃんもびっくちだね!」 普通ゆっくりの胎生型出産の場合、赤ちゃんは顔から出てくる。 赤れいむはその法則を覆すことによって、 お母さんに新鮮な驚きを与えようと考えた。 「まりしゃはかきぇにでるよ!」 「どんなかきぇかおちえてね!」 「おきゃざりをもっちぇいかないよ!!」 「ゆゆ!それはゆっくちできないよ!」 「ふっふっふ…まりしゃはちゃんとかんがえちぇるよ!」 飾りのないゆっくりは他のゆっくりにゆっくりできないゆっくりと言われる。 赤まりさはあえて飾りを捨てることにより、 この子はお母さんがゆっくりさせてあげなきゃだめだ、 と使命感を煽るように演出しようとした。 「れいみゅはなにかおもいついた?」 「れいみゅは…ひみちゅだよ!」 「もったいぶりゃないでゆっくちおちえてね!!」 「あとのおたのちみだよ!」 ***** 「むーしゃ!むーしゃ!しあわうっ!!」 まりさの持ってきたご飯を食べた直後、 お腹に今までに感じたことのない強い痛みが走った。 「いだ゛い゛い゛い゛!!れいむのぼんぼんさけちゃう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 「れいむ!あかちゃんがうまれるよ!がんばって!!」 れいむの顎のあたりにぽっかり穴が空き、そこから赤ちゃんが見える。 しかしその穴は狭い、そこへその穴の2倍以上の大きさの赤ちゃんが通ろうとしている。 皮が引っ張られ今にもちぎれそう、痛みがゆっくりとゆっくりとれいむを蝕んでいく。 「うぐぐぐぐぐぐ!!」 「れいむ!あかちゃんだよ!あかちゃんのかおがみえたよ!!」 痛みで意識を失いそうな中、赤ちゃんという単語だけがれいむの精神をつないでいた。 早く赤ちゃんに会いたい!この思いがれいむの体を無意識に動かしていた。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!」 「れいむ!もうすぐだよ!あかちゃんでてくるよ!」 ポンッ! その音と共にれいむを蝕んでいた痛みが急速に引いていった。 ようやく辺りを見回す余裕を得られたれいむが見たものは…。 つぶらなおめめ、かわいいお口、しっとりと黒い髪に、 蝶のような大きなリボンを結んでいる。 まるで自分を見ているように思えるほどれいむに似た赤ちゃんだ。 赤ちゃんを産んだらまず何をするか、挨拶だ。 「ゆっくりしていってね!」とお互いに言いあうことではじめて、 お互いにゆっくりできる存在と認識することができる。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!!」 どうもおかしい。 うまくしゃべれない赤ちゃんでも「ゆっくちちていってね」くらいは言えるはずだ。 なのにこの赤ちゃんはそれすら言えてない。 これは聞き違いなんだ、もう一度やり直して…。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!! ゆゆ?おきゃあしゃんっはちょおうっちぇもぅゆっきゅちちちぇりゅにぇえ!! きゃひゃいひれいみゅをみちぇみょうぅちょゆっきゅちちちぇいっっち」 「うまくしゃべれないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「ゆべっ!」 なかなな挨拶ができない赤れいむにしびれを切らしたまりさは、 赤ゆっくりにあんよの一撃をくらわせる。 「みゃぢゃ…ゆっきゅち…ちちぇにゃいにょに…」 「ゆっくりしね!」 ギリギリ息があった赤れいむにとどめの一撃が炸裂。 あまりにも展開が早すぎてれいむの餡子は付いていけない。 そして、まりさの下につぶれている赤れいむを見つけた。 なんで?なんで?なんで?なんで? (「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」) 「ど…」 (「すーりすーり!おかあさんのほっぺとってもぽかぽかさんだよ!」) 「どぼじで…」 (「おかーさんのことだーいすきだよ!」) 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「ちゃんとしゃべれないあかちゃんはゆっくりできないからだよ!」 ちゃんとしゃべれなくってこれから練習していけばいいじゃない。 ゆっくり見守っていけばいいじゃない。 それなのに…それなのに…それなのに…。 「れいむ!またあかちゃんがうまれてくるよ!!」 「ゆゆ!?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!」 初回に穴がある程度広がったおかげか、 二回目の出産はそれほど痛みを感じなかったが、やはり慣れるものではない。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!!」 ポンッ! 次に産まれてきたのは、 りりしい瞳、輝く金髪の上に形の良い山高帽をちょこんと乗っけた、 愛するまりさそっくりの赤ちゃん。 まりさに似てるんだ、だから挨拶もきちんとできるはず。 「ゆっくりしていってね!!」 「おーっちゅ!」 え…? なんで挨拶出来ないのだろう。 もしかしてれいむのことを弄んでいるのだろうか。 「ゆっくりしていってね!!」 「おーっちゅっちゅ!!」 「あいさつをきちんとできないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「おーっちぶじ!」 キチンと挨拶が出来ないとまりさに判断された赤まりさは早々に潰されてしまった。 愛するまりさに似た赤ちゃんがあっという間に餡子の塊へと姿を変える。 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「あいさつできないあかちゃんはゆっくりできないからだよ!」 挨拶なんて所詮形式的な儀式のようなもの。 それができないがためにいきなり殺されるなんてあまりにも不条理だ。 ゆっくり挨拶を教えることもできたのに…できたのに…できたのに…。 「れいむ!またまたあかちゃんがうまれてくるよ!!」 「ゆゆ??」ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!! 二回目の出産があれほど楽だったのだから、三回目はもっと楽だろう。 そうたかをくくっていたのだが。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!!ゆーゆっゆー!!!」 「どぼじでうばれでぐれないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 いくら力んでも赤ちゃんが出てくる気配がない。 まるで赤ちゃんが自発的に出る気がないように。 「れいむ!このあかちゃんおかおがないよ!」 「ぞんなわげないでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛?! いだい゛い゛い゛ぼんぼんいだい゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛」 「ゆ゛ーゆ゛っゆ゛ー!ゆ゛ーゆ゛っゆ゛ー!!」 実に最初の出産の数倍の時間をかけてようやくポンッ!と赤ちゃんが産まれてきた。 その時出産の衝撃で一時的に空を飛ぶ赤ちゃんと一瞬目があったような気が…気のせいだ。。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくちちていってね!!」 ちゃんと挨拶をしてくれた! 今まで挨拶が出来ないからってまりさが赤ちゃんをゆっくりさせちゃったけど、 ちゃんと挨拶できたからもうまりさは怒らないはず。 赤ちゃん、これからもずーっとゆっくりしていってね。 「ところであかちゃん」 「あかちゃんじゃないよ!れいみゅはれいみゅだよ!」 「どうしてうしろからうまれたの?れいむすごくくるしそうだったよ」 「あれはれいみゅがきゃわいくうまれてくるためにしちゃんだよ! とっちぇもゆっくちできちゃでしょ!」 「れいむをくるしめるあかちゃんはゆっくりしね!」 「きゃわいくってごべっ!」 まりさのあんよに潰されて物言わぬ饅頭となる赤れいむ。 何で?今度はちゃんと挨拶してくれたのに何が気に入らなかった? 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「おやをくるしめてはんせいしないあかちゃんはしょうらいゲスかくていだからだよ!」 ゲスになるかなんてこれからの教育次第でゆっくり決まるものじゃないか。 それなのに一回間違ったことをしただけでゲス確定なんて。 その理論ならなら自分はとんでもなくゲスな奴だ。 きっとまりさは焦っているんだ。なだめなきゃ、なだめなきゃ。 「まりざあ゛あ゛あ゛もっどゆっぐりじでよお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 「そんなことよりまたまたまたあかちゃんがうまれてくるよ!」 「ゆゆ?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 四回目の出産で、さらに先ほど無駄に力んだためか穴はもうガバガバ。 すんなりと産まれてきてくれた。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくちちていってね!!」 良かった。この子もきちんと挨拶できる。 ちゃんと苦しめずに産まれてくれたから、 きっとまりさも赤ちゃんのことを褒めてくれるはず。 このまりさに似たりりしい瞳に輝く金髪にその上にちょこんと乗った山高帽が………ない!? 「かざりがないあかちゃんはゆっくりしね!!」 「ゆべっ!」 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「かざりがないゆっくりはゆっくりできないでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??! ゆっくりかいのじょうしきでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!?」 確かに飾りのないゆっくりはゆっくりできない。誰が誰かわからないからだ。 でもこの赤ちゃんは飾りがなくても確かに自分たちの赤ちゃんということがわかる。 それならば飾りなんて本来の意味での飾りだ。 「さっきからゆっくりできないあかちゃんばかりうんでるね!ばかなの?しぬの?」 「でもまだあとひとりあかちゃんがのこってるよ!」 「ほんとう?だったらゆっくりみせてね!!」 お腹の中にはあと赤ちゃんが一人残っている感覚がある。 最後までゆっくりした赤ちゃんだもの、見ればきっとまりさもゆっくりしてくれる。 そしたら三人で末永くゆっくりしよう。 「あかちゃん!ゆっくりうまれてきてね!!」 ***** 一方れいむのお腹の中では赤れいむがゆっくりしていた。 「あなさんがひらいちゃけどれいみゅはうまれにゃいよ!」 「みんにゃはうまれちゃったけれでも、れいみゅもうまれちゃったら おきゃーしゃんのぽんぽんがさみちくなるからうまれないよ!」 「おきゃーしゃんのなかにずっといる。れいみゅのことがみりぇなくても、 れいみゅがぽんぽんにいるだきぇでおかーしゃんはゆっくちできるんだよ!」 「れいみゅおきゃーしゃんにあえないからさみちいけれども、 おきゃーしゃんをゆっくちできるならがまんしゅるよ!」 「おきゃーしゃんゆっくちしていってね!」 ***** 「あかちゃんはまだ?ゆっくりしすぎだよ?」 「どぼじであがぢゃんうばれでぐれないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??」 なぜこんな時に赤ちゃんが産まれてくれないのか、れいむは考えた。 もう赤ちゃんはすでに死んでいる。これはない、確かに赤ちゃんの感覚があった。 赤ちゃんは弱すぎて出ることができない。これもない。手助けすれば絶対出れる。 こうなれば自発的に産まれるのを拒否しているようにしか思えない。 つまり、 「まりさ!あかちゃんはれいむのなかでゆっくりしたりないんだよ! だからあかちゃんのためにたくさんごはんをとってきてね!! 「だまれ…」 「あかちゃんはえいようがたりないとしんじゃうだよお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??! そんなこともわからないなんてばかなの?しぬの?」 「だまれえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」 まりさは何てわがままを言っているんだ。 赤ちゃんはれいむたちをもっとゆっくりさせてくれる存在で、 そのゆっくりのために働くのは至極当然のことであって… 「おばえは!あかちゃんがでぎでがら!ずーっとばりざをえざをどってぐるどうぐみたいにじで! だまにのぞいだらおうだをうだっだりひるねじだりとおばえばっかりゆっぐりじでるじゃないか!!」 「でもれいむがゆっくりしないとあかちゃんは」 「ぞれはおおめにみるどじで!づがれでがえっでぎだばりざに! おばえはいだわりのごどばをがげだごどがあるか?!」 「あがぢゃんがでぎでがらおばえはいづもいづも「これであかちゃんがゆっくりできるよ」 とあがぢゃんのごどばがり!ばりざのごどなんでなーんもみでぐれない!」 「でもあかちゃんはだいじだよ?」 「ほらまだあがぢゃんのごど!!ばりざはおばえのどれいじゃない゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛!! じがもぜっがくのあがぢゃんはびんなゆっぐりできないやづら!! ごんなごどになるんだっだらおばえなんがどずっぎりじなげればよがっだ!!!」 「ど、どぼじでぞんなごどいう゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「どうもごうもあるが!!おばえのがおなんでにどどびだぐない゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 そう言うとまりさは外に出て行ってしまった。 赤ちゃんのことを大切に思えないなんて恐ろしいほどのゲスだ。 でも今はそんなことより今は赤ちゃんの方が大事だ、早く赤ちゃんのためにむしゃむしゃしないと。 確か貯蔵庫に…。 「どぼじでごはんざんがないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!??」 きっとまりさがこっそり全部食べてしまったんだ。なんてゲス。 仕方ない、ならば自分で動いてご飯を取りに行くしか…。 ん?体が重くて動かない…。 「どぼじでれいぶあるげないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!?? これじゃあごはんとりにいげない゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 ご飯をどうしようと考えていたら急に力が抜けてきた。 大きくなった赤ちゃんが今まで以上にれいむの栄養を吸収し始めたのだ。 「あがぢゃんんんんん!ずわないでえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!! おかあざんじんじゃう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」 あ…目がかすんできた…。 れいむはもうだめなんだ。 赤ちゃん、一緒にすりすりしたかったなー。 「もっどゆっぐりじだがっだ…」 こうしてれいむは赤ちゃんの望み通り、 とーーーーーってもゆっくりすることができたとさ。 終 ***************************************************************** 自分のゆっくりできることを他人にしなさい。 聖ゆっくりの教えを産まれる前から実践できるってすごい。 今まで書いた作品 初めての制裁 僕のうさばらし ゆっくりは死んだ 見せあいっこ ゆっくりの伝道師 妄想お兄さん このSSに感想をつける
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ゆっくりCUBE2 ※登場キャラクターがちょっと変わり、罠を増やしました。 こんにちわ、上白沢慧音です。 まず皆さんに謝らなければなりません。 SOW、ではなくSAWでした。 SOWというのは作者がやっているFPSのネットゲームのことで、SAWとはなんの関係もありません。 ご了承ください。 さて、今回登場するのはまりさ、ありす、ぱちゅりー、めーりんです。 結果は明らかと思っているかもしれませんが生暖かい目で見てやってください。 まりさは目を覚ました。 辺りは鏡張りでできた奇妙な部屋だった。 そして周りには、同じく不思議そうに辺りを見回しているゆっくり達がいた。 「ここはどこ? ゆっくりできるの?」 そう、尋ねる。 すると、部屋にいたありすとぱちゅりーが反応した。 「いなかくさいけどまあまあゆっくりできるわ!」 「ほこりっぽいけどだいじょうぶよ」 そして、もう一匹。 「じゃおおおん」 「ゆ!? なんでグズめーりんがこんなところにいるの!? しんでね!」 まりさは汚い物を見るかのような目でゆっくりめーりんに叫ぶ。 それを見たありすとぱちゅりーも調子に乗る。 まりさは多少はかしこく、多少は力があるのでリーダーとされることが多い。 ありす達は本能的にそれに反応したのだろう。 「しゃべれないいなかものめーりんはしんでね! このよにいらないよ!」 「むきゅ! あなたがいるとどくしょのじゃまになるわ! きえてなくなってね!」 起きた途端罵声を浴びせられ、めーりんは訳がわからなかった。 だが、これだけは把握していた。 今自分がいじめられようとしていることを。 「じゃお! じゃおおん!」 自分は何もしてないと言っているのだが、まりさ達には伝わらなかった。 「なにいってるかわからないよ! きもいよ!」 「しょせんいなかものはくずね!」 「じゃまだからきえてなくなってね!」 三匹はめーりんに向かって体当たりを仕掛ける。 めーりんは体の皮は厚いが、戦闘能力は皆無に等しい。 実際戦えば強いのだろうが、この饅頭には戦うという知能がなかった。 「じゃお、じゃお~ん」 「きもいよ! なきごえきもい! きもいやつはこのよにいらないからしんでね!」 「いなかものすぎておなかがいたいわ! きたならしくしんでね!」 ゲラゲラと笑いながらぼこすかと体当たりを食らわせ、めーりんはボロボロになっていた。 その時、ぱちゅりーが叫び声をあげた。 「まずいわ! このへやどんどんみずがはいってきてる!」 それに反応して二匹はぱちゅりーが言った先を見た。 細い管から水が勢いよく噴出している。 川の流れとは違う勢いに、4匹は身の危険を感じ取った。 「あそこからでられるわ! いっしょについてきて!」 そう言ってぱちゅりーが先頭になってありすとまりさを率いた。 めーりんは厚い皮のおかげかたいした怪我はなく、表面だけがボロボロになっていた。 急いで3匹の後追う。 「じゃお?」 その時きらりと輝く一つの物体を発見。 気になって近づいてみる。 「めーりんがじぶんからしににいってるよ!」 「ばかのだいめいしね!」 三匹は嘲っているが、めーりんは光るものに夢中だった。 光るものは細長い棒のような形で、先端に歪な四角い突起があった。 めーりんはそれを口の中に放り込んで急いで部屋を出た。 4匹が向かった先には、ある一本の通路があった。 ゆっくり一匹分が通れるほどである。 「さっさといこうね!」 「まって!」 通路を通ろうとするまりさをぱちゅりーが止めた。 「なにがあるかわからないわ! このめーりんからさきにいかせましょ」 「そうだね! めーりんはどうなってもいいもんね!」 「ぱちゅりーあったまいいー!」 賞賛されるぱちゅりーは照れ隠しにそっぽを向いた。 めーりんは何も知らずに通路に入る。 一歩、また一歩と進んでいくが、何の気配もない。 「やっぱりだいじょうだよ! ぱちゅりーもいっしょにいこうね!」 「むきゅ、そうだったみたいね、ごめんねみんな」 「べつにだいじょうぶよ! とかいはありすはかんようだもの!」 そう喚いているときだった。 がちゃん、と機械が動く音がする。 瞬間、めーりんの真後ろに鉄のアームのようなものが壁に付いていた。 「じゃお?」 めーりんが不思議そうに見ていると、アームは横をすべるように進んでいく。 慌てて走り出し、通路を越えた。 「な、なんだぜあれは……」 「わからないわ でもくずめーりんにできてわたしたちにできないことなんてないわ!」 「ありすのいうとおりよ!」 三匹は最初アームに驚いていたが、やがて勇気を出してありすが行く事になった。 「ゆっ! とうぜんよ! れでーふぁーすとだもの!」 そう言って通路を進んでいく。 やがて再び機械音が聞こえた。 お構いなしにアリスが進んでいくと、いきなり体に衝撃が走った。 「ゆぶぇっ!?」 何が起きたかわからず、横目で見るとアームが自分の体を掴んで壁に叩きつけられている。 ぱちゅりーとまりさの悲鳴が聞こえた。 だが、それも自分の悲鳴で塗り替えられた。 「ぎゅぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ごごっごごっごごっごがぎぎぎぎぎ!!」 アームが横にすべるように進む。 ありすを壁に張り付かせたまま。 摩擦でありすの体は摩り下ろされていた。 通路の壁にクリームの線ができる。 「ぎゃぎゅぎゅぎょげげげげげばっ! …………!!」 口を摩り下ろされ、何も喋れなくなる。 だが、残った目だけは痛みと恐怖を表していた。 アームが去った後は、ありすの折れたカチューシャと皮だけが残っていた。 「ありずう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!! どうじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!! だんでぐずべーりんはだいじょうぶなのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!?!?」 二匹は通路の入り口で擦り寄って怯えている。 しかし、そんな二匹を時間が待ってはくれない。 「むぎゅ、うしろからみずのおとがするわ! まりさ、がんばって!」 「やだよぉ! ばじゅりーがさぎにいっでよぉ!」 泣き叫びながらまりさはぱちゅりーを押し出す。 仕方なくぱちゅりーは通路を進んだ。 また、あの機械音が聞こえる。 その瞬間、ぱちゅりーは横っ飛びをした。 アームは彼女がいたもとの地点に叩きつけられる。 そしてそのアームにぱちゅりーは噛み付いた。 「むきゅー!」 横にすべるアームにしがみついてなんとか出口にたどり着く。 まりさはそれを見て、泣きべそをかきながら同じ事をした。 何とか渡りきったまりさは、めーりんに体当たりを食らわせた。 「どおじであのどぎじなながったの!? ありずよりおまえがじねばよがっだのに!」 「ぞうよ! どうじてあのとぎおじえてくれなかったの!?」 理不尽な事を言って二匹はめーりんに八つ当たりをした。 二匹にとって彼女はただの鬱憤を解消する道具でしかないのだろうか。 次の部屋は何もなかった。 ただ扉だけがおいてある。 しかし、ものすごい距離だった。 「なにかあるわ! めーりんさきにいきなさい! ほらぐず!」 ぱちゅりーがめーりんを突き飛ばして走らせる。 めーりんが部屋を歩いていると、地面が揺れた。 「なななななに!?」 「ぱぱぱちゅちゅちゅりりりー!! そらがおちてくるよ!」 見てみれば、天井が段々と迫ってくるではないか。 ぱちゅりーは誤算だ、と思った。 この距離ならめーりんが助かり自分達はつぶれてしまうではないか。 ならばどうすればいいか。 「まりさ、わたしをめーりんのいるところまでなげてね!」 「ゆゆ! そんなことしたらぱちゅりーとめーりんだけたすかるぜ! そんなことはさせないぜ!」 「ちがうわ! わたしがめーりんをなげとばすからめーりんになげてもらえばあいつだけしぬでしょ!?」 その言葉にまりさは顔を輝かせる。 「そうだぜ! やっぱりぱちゅりーはあたまがいいぜ! それっ!」 まりさはぱちゅりーの髪をくわえ、思い切り投げ飛ばす。 実際には勢いをつけて転がしているのだが、それでもぱちゅりーはめーりんの元へたどり着いた。 「ぱちゅりー! はやくめーりんをなげてね!」 「……ごめんねまりさ! このめーりんはほかのへやにもつかうからまりさはそこでしんでね!」 突然の裏切り。まりさは目を丸くした。 なぜ、さっきまで一緒になってめーりんをいじめていたのに。 「どおじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 「むきゅ! かんたんよ! まりさよりくずめーりんのほうがいうこときくしずっとりようできるわ!」 そう言ってめーりんとぱちゅりーは部屋を出て行ってしまった。 置いていかれたまりさは急いで出口へ向かう。 もう天井はすぐそこまで来ていた。 その時、ぱさりと何かがまりさの後ろで落ちた。 「ゆっ! まりさのぼーし!」 ゆっくりにとっては命に等しい帽子が天井に引っかかり落ちたのだ。 慌てて拾う、だがもうその行動のおかげで出る事は不可能になった。 「ゆぐぐぐ! おもいぜ! だれかだずげでね!」 助けを求めるが誰も返事をしない。 「ぼでがいでずう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!! まりざをだずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 今度は本当の悲鳴。 天井の重さに圧迫されて体にひびが入る。 溢れる餡子は目から、口から溢れていた。 「ゆびゅべべっ!! ぎぎぎっ!! だずげべぇ……」 ズシン、と音がして部屋は閉ざされた。 出口からは餡子が一筋流れ出た。 次の部屋は質素な部屋だった。 一本道の坂があり、その中を振り子のように鎌が通り抜けていた。 「めーりん はやくいきなさい」 「じゃおおおん!」 言われた通りに進むめーりん。 振り子が遠ざかったのを確認し、進もうとしたそのときである。 「えいっ」 「じゃぐぼぼぼぼっぼぼ!!?」 奇妙な悲鳴を上げてめーりんは真っ二つになった。 ぱちゅりーは彼女の髪を引っ張り、鎌の餌食にさせたのだ。 「くずなめーりんにはおにあいね!」 そう笑ったとき、ぱちゅりーはめーりんの死骸から輝くものを見つけた。 最初にめーりんが拾ったものである。 「きれいね、これはぱちゅりーのたからものにしてあげるわ」 そう言ってそれを咥えて外に出た。 だが、そこはまたガラス張りの部屋だった。 その奥から慧音が現れる。 「おめでとう、ゆっくりぱちゅりー」 張り付いたような笑顔で笑う。 「そんなことはいいからここからはやくだしてちょうだい!」 「わかったわかった、じゃあその鍵を渡してくれ。外に出るには必要だ」 ぱちゅりーはさっきの輝くものを吐き出す。 宝物がなくなるのは惜しい事だが、命には変えられないと思ったのだ。 「さぁ、出口はこっちだ」 「むきゅ! おねーさんありがとう!」 出て行くぱちゅりーを慧音は冷たい目で見送った。 外ではアナウンスが流れる。 『今回の優勝者はゆっくりぱちゅりーでした~! やはり頭脳派ですから生き残る確立はまりさと半々でしたかねぇ。 めーりんが最後まで生き残っていた事にも驚き! これだからゆっくりCUBEはやめられない! 換金は出口の方でしておりますので予想が当たった方はそちらへどうぞ~』 ■■■ 「むっきゅー! さすがわたしね!」 喜びながら森の中を駆け回るぱちゅりー。 見捨てた饅頭などどうでもよく、今は出られた事の嬉しさに酔いしれていた。 その時まりさの群れがぱちゅりーの前に現れる。 「まりさたち! わたしね! にんげんのわなからだっしゅつできたのよ!」 褒められると思った。 すごいねぱちゅりーとか、どうやったの!?とか言われると思っていた。 「そうだね! まりさたちのなかまをぎせいにしてね!」 「むぎゅ!?」 ぱちゅりーは唖然とした。 なぜ? 見られていたのか? ぱちゅりーは知らない、あれがマジックミラーだという事を。 そして参加者の家族にもそのショーを見せる事を。 「まりさをみごろしにしたぱちゅりーはしんでね!」 「ちね! ゆっくりちね!」 「じごくにおちろ!」 「むぎゅ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!!!」 パチュリーの悲鳴が、森の中に木霊した。 あとがき。 生存確認。 登場させたゆっくりは全滅させる主義でしたが群れは殺せませんでした。 ゆっくりめーりんのやわらかさは紅美鈴のおっぱいのやわらかさと一緒だと思っています。 一応誤字については以前の後書きにも書きましたが慧音に謝らせました。 ごめんね、何でこんなに言うのかといえば英語の誤字は日本語の誤字よりめっちゃ恥ずかしいからです。 喫茶じゃ書き込めないんだよね そういやスレに報告できたの一回だけなんだよね 恐ろしい。 家庭の事情ですので沖になさらず。 このアフォが書いた作品。 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング1~3 霊夢のバイト 慧音先生とゆっくり ゆっくりCUBE ゆっくりと男 虐待おねーさん 書いた慧音のムチムチおっぱい:神社バイト このSSに感想を付ける
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※これは東方求聞史紀を基にしたパロディです。東方求聞史紀とは稗田阿求が編纂した幻想郷についての書物です。 つまり書いているのは阿求という設定です。 ※虐待成分は皆無に等しいです。 ゆっくり ~動くなまもの~ 主な危険度 極低 遭遇頻度 激高 多様性 高 主な遭遇場所 どこでも 主な遭遇時間 いつでも 能力 人を苛立たせる程度の能力 人間友好度 最悪 主な活動場所 どこでも ◆特徴◆ 一見すると人間の生首。 それもかの博麗霊夢や霧雨魔理沙らなど幻想郷における有名人の顔に似ているのである。 しかしそれは外見的特徴だけであり、よく見れば全然似てないし性格も口調も行動理念もまるで似ていない別物である。 しかしてその正体は饅頭。皮の開いたその体の中には餡子がびっしり詰まっている。それ以外の内臓器官は無い。どうやって動いているのか甚だ疑問だ。 他にも中身がクリームであったり納豆であったりする種類もいる。もちろん食べられる。 表皮は弾力性があり跳びはねて移動をする。底部、つまり本来の生首なら首があるべき場所を焼くなどして弾力性を奪ってやれば動けなくなる。また水によく溶ける。 体長は様々でプチトマトサイズのものもあれば二米(メートル)を超える巨体も存在する。 また基本生首だが希に胴体付きの個体も居る。 その場合の大きさは妖精程ではあるが、明らかに頭が大きすぎるので不恰好だ。 妖精を超えるのではないかと思われる数の多さ故かどこにでも現れるが主な生息場所は小さな虫や背の低い草花がよく育つ自然豊かな場所であることが多い。 人里でゆっくりの姿を見かける場合、それは人間の食物を目当てとした野生のゆっくりか、人間に飼われているゆっくりである。 活動時間は朝早く起き昼間に活動し夜になれば眠るという人間とほぼ同じ時間帯。 寒さに弱いらしく冬は餌を溜め込んだ巣に篭って越冬するようだ。 寿命についてはまだ明らかにされていない。 子猫よりも弱い存在でありながら危機察知能力が皆無な上に妖精よりも死を恐れないように見える無鉄砲な行動をとるため、ほとんどの個体が寿命を迎える前に死ぬからだ。 だが繁殖能力は方法は数種類ある上に極めて高く、早いものなら一日二日で平均五匹以上もの子供を残すことができるという。 その繁殖能力の高さが未だにゆっくりが絶滅しない要因ではないかとされている。 一部の個体は人間の成人男性を超える力を持っていたり、大規模なコミュニティを形成しているものもいる。 ゆっくりの中身はそれぞれ異なることが多いが、全てに共通して食物であるためよく人間や妖怪、妖精に食べられる。 ストレスを与えると餡子が美味しくなるという特性とその数の多さからゆっくり加工所なるものが出来るぐらいだ。 主な食事は蝶やダンゴムシ、百足といった虫類や小さな草花である。 人間が食べるものはほぼ全部食べる。そのため人里へ人間の食べ物を目当てにやってくるゆっくりもいるが、人間の食べ物はゆっくりにとって贅沢すぎる物である。 そしてこの種の最大の特徴が、その名にもなった「ゆっくりしていってね」という言葉である この言葉はこの種の間で挨拶のように日常的に使われており、また常に自分達が「ゆっくりする」ことを目指しているようだ 彼女(彼)らの間での「ゆっくりする」ということがどのよう意味なのかかは厳密には分かっていないが、「自分たちの欲求、要望がまかりとおる」ことであると認識しておいて間違いは無いだろう ◆目撃報告例◆ 道端でケガをして動けなかったゆっくりがいたから手当てをして野生に返してあげた(匿名) 何故殺さなかったんですか 畑の野菜を収穫しようと畑にいったらゆっくり達に野菜が食い荒らされていた(野菜一筋) もちろん殺しましたよね? 家を少し留守にしていただけなのに帰ったら家でゆっくりが交尾していた(魔法の森の人形遣い) もちろん殺しましたよね? 紅魔館の主の名を騙っていたので屠殺しておいた(レミリアファンクラブNo1) よくやりました ◆被害内容◆ ※食料を目当てとした窃盗※ ゆっくりによる被害の最たるものの一つが畑荒らしだ。 どこから知りえたのかゆっくりは人里には食料、主に野菜が多くあることを知っている。 そのため頻繁に人里にやってきては畑に侵入し無断で野菜を貪り散らす。 そのような事をしたゆっくりを生かして逃がしてしまった場合味を占めて再来するか、他の仲間を引き連れてくる恐れがあるので注意して殺さねばならない。 ※住居無断侵入及び無断占拠宣言※ 畑荒らしに並んで多いとされるのが住居の無断侵入だ。 ゆっくり達は総じて本人達曰く『ゆっくりプレイス』なる自分達が安全にすごすことの出来る巣を求めている。 その結果が住居無断侵入及び無断占拠宣言だ。 これは主に家主が留守にしている間に侵入できる場所から、無かった場合自分で作って侵入する。まれに住居内に家主がいる場合にも侵入することがある。 侵入した後はその住居を自分たちの巣だと思い込み、実際そのように振る舞い、宣言をする。この時餌を目当てとした場合も多く、住居内食料を食い荒らされる場合もある。 例え本来の家主が帰ってきてもここは自分たちの巣だと頑なに言い張る。あまつさえ本来の家主をまるで奴隷のように扱う始末である。 ◆対処法◆ 畑や住居の被害は主に留守中に起こる。ずっとその場所に居ることは出来ないので、ゆっくりが侵入できないようにするのが最も一般的だ。 主には畑の周りに柵を設けたり、住居の出入り口全てをゆっくりでは開けることが出来ないようにしたり、窓ガラスを強いものに代えたりだ。 他にも畑ゆっくりにとっては毒物となる疑似餌をおいておくのも効果的である。ゆっくりはそれに満足して巣に持ち帰り、そのまま巣で死ぬからだ。 直接的な戦闘能力など無きに等しい。人間や妖精はおろか猫にだって殺せるぐらいだ。 捕獲は方法を選ぶことなく容易にできるだろう。素手で捕まえても籠に入れても透明の箱に入れてもいい。 もし捕まえることができたのならば日ごろの、及びゆっくりによって与えられた鬱憤を晴らすといい。 物心ついた人間ならば楽に勝てるであろう。 一部の賢しい個体は仲間を売って自分だけ助かろうとしたり、家族を躊躇なく殺したりするが、平等に全員殺してやるのが一番だ。 ────── あとがきみたいなもの 求聞史紀にゆっくりが載ったら~、という妄想で書き連ねました。 求聞史紀を参考に書きましたが阿求らしさが出ていないかもしれません。 作者が他に書いたもの:ゆっくり合戦?、ゆッカー? このSSに感想を付ける0
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幻想郷も夏となれば暑い。 そして、私の家は涼を得るための道具が風鈴しかない。 だから、私はその日、家の窓を全て全開にしておいた。 少々の虫は寄るだろうが、別に気にする事もない。 どうせ家は古ぼけているし、この辺りには妖怪も猛獣もいないのだ。多少虫に刺された程度ならば何でもない。 全ての窓を開け放った後、一番涼しくなる場所まで移動して、そのまま寝転がった。 こういう時の畳の心地良さは、言葉にできないものがある。 少しだけ休もう。そう考えつつ、そのままうとうととしてしまった。 『ゆっくりしないでね!』 どうやら完全に寝入っていたらしい。 日はかなり傾いており、何やら物寂しい気分にさせる光景が広がっていた。 何となくため息を一つついてから、食事でも摂ろうと台所に向かっている最中、ガシャンガシャンとやかましい音が聞こえてきた。 泥棒でも入り込んだかと寝ぼけ頭で考えつつ台所に入った私は、それを見て呆然と立ち尽くした。 放射状に割れている陶製食器、食い荒らされた食料、土まみれの床板。 「ゆっくりしていってね!」 そして、その真ん中で異様に得意げにしている饅頭。 幻想郷最弱にして一部の人からはウザいと言われて死ぬまでいたぶられ、一部の人は保護し尊重しているという良く分からない生物、ゆっくりだ。 「ゆっくりしてね! おにいさんはゆっぐ!?」 何か言っているのを無視して、捕まえたゆっくりをガラス製の水槽に放り込み、そのままフタを閉める。 その後、何やら騒がしいゆっくりを尻目に、そのまま部屋を片付けた。 片付けが一通り終了した。 陶製の食器は思ったよりも割れておらず、食料も見た目より減ってはいない。というより、食べた量より食べかすの方が多い。 やけに少ない被害に首を傾げるが、考えてみれば幻想郷最弱のゆっくりなのだ。重いものやすぐに食べられないものは狙わなかったのだろう。 子供のいたずら……にしては性質が悪いが、この程度ならば軽くお仕置きをしてから開放してやっても良いかな。 そんな事を考えつつ水槽に近づいてみると、ゆっくりはボロボロと涙をこぼしていた。 何度も出ようと試みたのだろう、顔の至る所が食紅でも使ったかの様に赤くなっている。 これなら飛び出す心配もないだろうと思い、水槽のフタを開けてみた。 「っぐ……いだいよ、いだいよ……ゆっ! おにいさんここからだして! おうちかえる!」 フタを開けた瞬間、ゆっくりは水槽をごとごとと揺らして泣き叫び出した。 家を荒らされた私の方が悪者の様で若干不愉快だが、そこはぐっと堪える。 危険な生物が近くにいないという事で、警戒心がなくなっていたのは私の方なのだ。 むしろこの程度の被害で済んだ私は、運が良いのだろう……と、考えていてゆっくりの事を忘れていた。 うっかりしていたと思いながら見てみると、当のゆっくりは白目をむいてがたがたと震えていた。 「おねがい! あやまるからおうちかえして! へんなことしないでゆっくりさせてよ!」 そのまま、何度もへこへこと奇妙な屈伸運動をしつつ、ごめんなさいごめんなさいと繰り返す。 どうやら、謝っているつもりなのだろうが、何故ここまで怯えているのだろうか。 不思議に思いつつ水槽を覗き込むと、ゆっくりはカッと目を見開いて、凄まじい悲鳴を上げた。 「ゆあああああぁぁぁ! ぞんなにはやぐうごがないでぇぇぇ! ゆっぐりでぎないよぉぉぉ!!!」 早く動かないで? ゆっくりできない? 意味の分からない事を言うゆっくりを落ち着かせるためにも、話しかけてみる。 「何を言っているんだ? ゆっくりも何も、私は動いていないが」 「おててがぁぁぁ!!! ひらひらひらひらおててがゆっぐりじでないよぉぉぉぉぉ!!!」 泣き叫ぶゆっくりだが、その内容はいまいち良く分からない。 『おてて』と呼ぶ物は恐らく手の事だろうが、手がどうしたと言うんだ? 不思議に思いつつも何気なく左手を見ると、そこそこの速度で左右に揺れている。 「はやぐ! はやぐどめでぇぇぇ!!! なんでもずるがらゆるじでぇぇぇぇぇ!!!」 口の端から黒い泡を吹き出して絶叫するゆっくり。 その様子を見て、ようやくこの手の動き(考え事をする時のクセである)が恐怖の対象なのだと分かった私は、すっと動きを止めて後ろ手を組んだ。 「ほら、もうゆっくり出来るだろう?」 「あ……ありがどおおおおぉぉぉ」 心底安堵した声を上げるゆっくりを眺めていると、イタズラ心が湧いてきた。 「ゆっくり出来たんだから、ここから出す必要はないな。じゃあ、しばらくそこでゆっくりしていてね」 「ゆぎゅ!? まっで! おうぢがえりだいよぉぉぉ!!!」 安堵の顔から一転して、また白目をむいて泣き叫ぶゆっくり。正直面白い。 その情けない有様を眺めていると、一つの『お仕置き』を思いついた。 私は、出来るだけ優しそうに見える笑顔を浮かべて、ゆっくりに話しかけた。 「よし、それならおうちに帰してあげよう」 「ゆっ、ほんとう!? おうちかえしてくれるの!?」 泣き顔からまた一転して笑顔へと変わるゆっくり。 「ゆっくりかえれるよ!」「おうちでゆっくりするね!」などと、もう帰った後の事を考えて嬉しそうに飛び跳ねだした。 だが、そう簡単には帰してはやらないぞ。 「まてまて、帰す前にする事があるだろう」 「することってなに? まりさはすごくゆっくりしてるよ!」 不満そうに口を尖らせるゆっくり。こいつはどうやら、まりさと言うらしいな。 ゆっくりのまりさだから、ゆっくりまりさか。今後はゆっくりまりさとでも呼ぼうかな。 「ゆあああぁぁぁ! おででがゆっぐりじでないよぉぉぉ!!!」 おっと、クセが出てしまった様だ。 慌てて後ろ手を組むと、ゆっくりまりさはぷくっと膨らんで「ぷんぷん!」などと言い出した。どうやら怒っているらしい。 「ゆっ! おにいさんはゆっくりできないひとだね! はやくまりさをおうちにかえしてよ!」 いや、だからその前にする事があるんだって。 何秒か前に言われた事すら覚えていない頭の悪さに内心苦笑しながらも、笑顔を崩さずに語りかける。 「ダメだよ、ゆっくりまりさは悪い事をしたんだから、お仕置きをしなきゃいけない」 「ゆぎゅ!? まりさなんにもわるいことしてないよ! おしおきはなしにして、おうちかえして!」 「ダメだ、私の家をメチャクチャにしたじゃないか。それは悪い事だろう?」 「なんでぇぇぇ!? まりざおにいざんのおうぢめぢゃぐぢゃになんがじでないよぉぉぉ!? おじおぎなんでざれだらゆっぐりでぎないぃぃぃ!!!」 甲高い声で泣き叫ぶゆっくりまりさ。 自分が何をやったのかを理解していないのか、本気で悪い事は何もしていないと思っているのか……恐らく後者だろう。 ※ 一から理解させてやらなければならないのだろうか……ため息をついて、やや怖い顔を作る。 「じゃあ、私がお前のおうちにある食べ物を食べたり、おもちゃを壊しちゃっても良いんだな?」 「だめだよ! そんなことされたらゆっくりできな……」 中途半端な所で言葉を止めたゆっくりまりさは、ハッと驚く様な顔になって、そのままぶるぶると震え始めた。 勝手に家の食べ物を食べられ、おもちゃを壊される……それは、先ほど自分がやった事だとようやく気付いたらしい。 そのまま考え込む様に目を閉じて「ゆぅ~」とうなり声を上げた。覚悟を決めているらしい。 少し経って目を開いたゆっくりまりさは、饅頭だと言うのにやけに凛々しい表情を浮かべていた。 「……わかったよ、まりさがわるいことしたからおしおきされる! でもあんまりいたくしないでね! いたくしたらゆっくりできないよ!」 ゆっくりおねがいね! などと飛び跳ねるゆっくりまりさ。 勝手な事を言っているのにどこか憎めない態度に、思わず苦笑いが浮かんでしまう。 子供がわがままを言っている様に感じてしまうからだろう。 「よし、覚悟が出来ているならお仕置きをするぞ」 「ゆっ! おねがいします!」 屈伸運動をするゆっくりまりさ。お辞儀のつもりだろう。 お仕置きをするだけなのに、稽古中の師匠と弟子の様で面白いが、ゆっくりまりさは真剣な眼差しでこちらを見つめている。 「じゃあ、始めるぞ」 「ゆっくりいつでもどうぞ!」 よほど怖いのだろう、良く見るとふるふると震えている。 すぐに終らせてやるからな。心の中でそう誓いつつ、ゆっくりまりさの目の前に手を持って行く。 「しばらくこの手を見ている事がお仕置きだ、分かったか?」 「……ゆ? ゆっくりおててみているよ!」 不思議そうな顔をした後で、嬉しそうに飛び跳ねるゆっくりまりさ。 お仕置きと言われて緊張していたら、手を見るだけなどという半ば遊んでいる様な程度で済んだのだ。その気持ちも分からなくはない。 だが、そこまで甘くはないぞ。 「これはお仕置きなんだからゆっくりされては困るな。これからが本番だ」 にこにこと笑うゆっくりまりさの目の前で、手をゆらゆらと動かし始める。 ゆっくりまりさは「ゆっ!?」などと驚いた声をあげつつ、先ほどよりずっと遅い速度で揺れ続けるそれを目で追いかけた。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 珍妙な掛け声で噴出しそうになるのを堪えつつ、ゆっくりと手を動かし続ける。 右、左、右、左……ゆらゆらと動く手を追いかけ続けるゆっくりまりさは、べちゃんと転んでしまった。 「ゆぎゅっ……ゆっくりできないよ!」 そのままぷくっと膨らもうとするが、起き上がった時点でまたゆらゆらと動く手を見て、すぐに目で追いかける。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 珍妙な声を上げつつ、ゆっくりと動く手を眺め続けるゆっくりまりさ。 その極めて難しい事に挑む挑戦者の様な表情を眺めつつ、私はゆらゆらと手を動かし続けた。 「はい、お疲れさん」 「やっどゆっぐりでぎるよー!!!」 私の声を聞いた瞬間、疲れ果てたとばかりにぷにょんと平べったくなるゆっくりまりさ。 「ゆぅぅぅ……おめめがいたいよ!」 数分間ふらふらと手を追っていたのがよほど堪えたのだろう。 ゆっくりはぱちぱちとまばたきを繰り返している。 「ゆっ……おめめがゆっくりできたよ!」 しばらくそうしてから、ゆっくりまりさは嬉しそうに叫んだ。良く見ると、目がつやつやと輝いている。 ゆっくりもドライアイになるんだな……おっと、考えていたらまた手が動いてしまうから考えない様にしなきゃな。 それに、お仕置きは終ったのだから、家に戻してやらなければならない。少し残念に思いながら、水槽から出してやった。 「おにいさんありがとう! それとごめんなさい! おうちでゆっくりはんせいするね!」 水槽の外に出た途端、嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねていくゆっくりまりさに声をかけた。 「ああ、もう家を荒らすんじゃないぞ」 「ゆっくりわかったよ! ばいばいおにいさん、ゆっくりしていってね!」 その場で飛び跳ねてから、かなりのスローペースでどこかへと去っていくゆっくりまりさを、微笑ましく眺める。 あのゆっくりまりさは、二度と同じ事を繰り返しはしないだろう。 そう考えると、心を鬼にしてやった甲斐があったというものだ。 穏やかな気分になりながらも、足りなくなった食器や食材を買いに行く事にした。無論、戸締りはしっかりとしてからだ。 お仕置きしている最中に降り出した雨の中、急ぎ足で買い物へと出かけた。 近頃流行りのぬるいぢめと32スレ 811の言った○○すれば~~してやる系統の話でふと思い立ったものを一つ即興で上げようとしたけど長くなりました。 ちょっとぬるすぎると思った方のために、先に思いついたドギツイ虐待も置いておきます。 ※から下がそれなので、良かったら見て下さい。 by319 ※ それにしても、うるさい事この上ないな。ゆっくりがウザいと言う人の事が少し理解できた気がする。 「分かった、まりさは悪い事はしていないと言うんだな。なら、家には帰せない。そこでしばらく反省しなさい」 「わるいごどじでないのにぃぃぃ! おうぢがえじでよぉぉぉ!!!」 いかにも自分は被害者だという叫びを上げるゆっくりを無視して、フタを閉める。 水槽を覗き込むと、ゆっくりの方も気付いたのか、激しく跳ね回りながら泣き出した。 音が聞こえないために何を言っているかは分からないが、何と言いたいかは分かる。 家に帰りたい、助けて、ごめんなさい。まりさは何もしてないよ、許して。 最初は、子供のいたずらに近いものがあるし入ったのがゆっくり程度で良かったと思っていた。 だからこそ、先ほど考えていたお仕置きも簡単なもので済ますつもりだった。 だが、こいつは全く反省していないどころか、自分は被害者で、冤罪だとほざいている。 これまで優しく接していた自分が愚か者だと突きつけられた様な錯覚に陥る。 苛立ちをそのまま饅頭に叩きつけたくなるが、そんな事をしたら今度こそ自身の間違いを肯定する様なものだ。それは気に入らない。 では、どうするか……決めた。 さっき思いついた『お仕置き』を少々キツめにやってやろう。 これなら暴力は振るわないで心の底からの反省を促す事が出来る。 「おうぢがえじでぇぇぇ……ゆっ? おにいざん、なにじでるの!?」 まず、ゆっくりの目の前に手を持ってくる。 「おはなじぎいでよ! ゆっぐりでぎないよ!」 そのまま、ひらひらと左右に手を振る。 「ゆっ!? ゆ、ゆ、ゆ……」 何かと思って追いかけるゆっくりの前で、どんどん手を早く振っていく。 「ゆっ、ゆっ……ゆゆゆ、ゆっぐりでぎないよ! もっどゆっぐりじでよ!」 だが断る。更に手を早く振り、ゆっくりできなくしてやる。 「ゆぎゅあぁぁぁぁあぁあぁぁぁあ!!! ゆっぐりじでよ! ゆっぐりじでよ!」 泣きじゃくるゆっくり。 この期に及んでまだ被害者ぶるその態度が勘に触った私は、風を切る音が聞こえるほどに素早く手を振り続けた。 「やべでぇぇぇぇぇゆっぐりざぜでぇぇぇぇぇ!!!」 皮がふやけるほどの勢いで涙を流すゆっくり。 小賢しい。腹の底から怒りが沸き上がってくる。 泣きじゃくるゆっくりの前で、私は手を小刻みに振り続けた。 「ゆるじでぐだざいぃぃぃぃ;あkhy:@ばdgは:!!!」 ゆっくりは、あまりにゆっくりできない現状に絶望したのか、意味不明な叫びと共に黒い何かを吐き出し始めた。 だが、私は怒りのために疲れは全く感じない。 こうなれば、持久戦だ。 私が疲れて手を振る事をやめるか、ゆっくりが被害者ぶるのをやめて、自分が悪かったと反省するか。 そんな事を考えながら延々と手を振ってゆっくりさせない事に専念していたせいで、ゆっくりが段々と目の輝きを失っていった事には気が付けなかった。 どれだけの時間手を振り続けていただろうか。 流石に疲れた私は、手を振る事をやめた。 「……どうだ、これだけやったら反省しただろう」 「………………」 ゆっくりは無言でうつむいている。 流石に反省したと思うのだが、こちらの被害も甚大だ。手がぶるぶると震えている。 こんな事で腱鞘炎にでもなったらバカらしいが、それもこれも、ゆっくりに反省してもらうためにやった事だ。 「分かったか? 自分がやった事を棚に上げて、被害者ぶるなんて許されない事なんだぞ」 「………………」 うつむいたまま動かないゆっくり。 ひょっとしたら、叫び疲れて寝ているのかもしれない。 だとしたら、途中からは何のためにやっていたのか分からないが……若干の冷や汗を背中に流しつつ、ゆっくりが寝ていないかどうか確認してみる事にした。 「おい、聞いているのか? お前は……」 ぱさりと帽子が落ちたその中の饅頭を見て、私は絶句した。 私の家は、勝手に誰かが入り込んでくる様な立派な家でもないし、妖怪もこの辺りにはいない。 だから、私が油断していたと言わざるを得ない。 理性では分かっている。だが、感情では分からない。 だから、私はこんな事をしたのだろう。 「ゆ……ゆ……ゆ……」 目の前には、白目をむいて震えているゆっくりが一匹。 外傷はないが、精神に負った傷はもう二度と治る事はないだろう。 哀れな饅頭の前で、詫びる様にゆっくりと手を振った。 このSSに感想を付ける
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※いじめの対象はありすメイン他おまけ程度です ※肉体的虐待より精神的虐待を目指しました ※俺設定を含みます ※その他あれこれとあるかもしれません 幻想郷のとある人里、その近くにある里山にゆっくり達の声が響いた。 「ゆっ!にんげんさんがいるよ!」 「ゆぅ~。れいむのおかあさんはにんげんさんはゆっくりできないっていってたよ」 「むきゅ!れいむのいうとおりだわ。ぱちゅりーもおかあさんからそうきいたもの」 「れいむ、ぱちゅりー、おちついて!かんたんにとりみだすなんてとかいはじゃないわ!」 まりさが発見した人間にれいむとぱちゅりーが怯え、ありすがそれを宥めている。 四匹は成体に成り立てのまだ若いゆっくりだが、親の躾が良かったのか人間の恐ろしさを十分に理解していた。 普段は里山のこの辺りにゆっくりが出没することはない。人里に比較的近く、人間が山菜などの山の恵みを採りに来る ここはこの山の奥の方に住むゆっくり達にとってはゆっくり出来ない場所だからだ。 ゆっくりは成体になると育った巣と親元を離れて一人暮らしを始める巣立ちを行う。 この四匹は徐々に近づいてくる巣立ちの日に備えて、 仲良し四匹組で自分の巣を作る新天地の下見をしているうちに張り切って進みすぎていたのだった。 「ん?ここいらへんでゆっくりを見るなんて珍しいな」 人間の男の方もゆっくりに気付いたようだ。 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 まりさが意を決して人間に声を掛ける。本当なら一目散に逃げ出したかった。 しかし、もしゆっくりより遥かに強いという人間が襲いかかってきたら、まず犠牲になるのは運動の苦手なぱちゅりーだろう。 友達を見捨てるようなことは出来ない。いや、仮に出来たとしても絶対にやっちゃいけない。 「ああ、ゆっくりしていってね」 返ってきたのは四匹にとっては予想外の返事だった。 緊張状態にあった四匹の体が男の一言で弛緩する。特に、いざという時は自分が男に立ち向かってその隙にみんなを逃がそうと、 内心で死をも覚悟していたまりさは安堵のため息を吐いた。 「ゆ、ゆふぅぅ~」 そんな風になにやら固まったり弛緩したりしている四匹を不思議そうに見ながら、男が質問する。 「お前達、何でこんなところにいるんだ?」 「れいむたちは、もうすぐすだちをするんだよ!」 「むきゅ!むれでしごとをするいちにんまえのゆっくりになるの!」 「だから、いちにんまえにふさわしい、とかいはなおうちをさがしてここまできたのよ!」 挨拶を返してくれたことで、この人間は言われていた程ゆっくりできない訳ではないらしいと判断した三匹が次々に質問に答える。 「へー、そりゃおめでとう。でもこの辺は人間のテリトリーだから巣を作るには危ないぞ。 それにここからだと群れが遠いから、仕事とやらもちゃんとできなくなっちゃうぞ」 男のその言葉に、まりさが慌てて反応する。 「ゆゆ!しごとができないのはだめだよ!いちにんまえになれなくなっちゃうよ! いちにんまえになれないとけっこんもすっきりーもできないよ! まりさは、けっこんしてあかちゃんをつくって、おかあさんみたいなりっぱなゆっくりになりたいよ!」 どうやらこの四匹がいる群れでは、成体となって巣立ちをし、群れのために仕事をすることでようやく一人前と認められるようだ。 そして、一人前としての義務を果たすことでようやく結婚や出産の権利が認められるらしい。 義務と権利の相関。ゆっくりの群れにしては随分立派なことだと思いながら更に男は尋ねた。 「仕事ってのはどんなことをするんだ?」 「まりさはかりをして、ゆっくりできるごはんさんをあつめるよ!」 「れいむはほぼさんになるよ!おかあさんのいないこどもたちのめんどうをみて、ゆっくりさせてあげるんだよ!」 「ぱちゅりーはじむのしごとをするの。ごはんのりょうやおうちやこづくりのもんだいをかいけつするのよ」 「ありすは、とかいはなこーでぃねーたーになるわ!おうちやひろばをかざって、とかいはなえんしゅつをするの!」 なるほど、男は納得して頷いた。どうやら四匹ともそれぞれの特長を生かした仕事に就くようだ。 食料集めは絶対必須の仕事だ。食べなければ何もできない。 保母さんも分かる。もろい生き物であるゆっくりの子育ての過程ではどうしても親を失った子が多く出るだろう。 その世話をして一匹でも多く一人前にすることは群れの繁栄に繋がる。 事務も群れのためになる仕事だろう。食料を集めたら集めただけ食べてしまって、ちょっとした怪我や雨ですぐ飢えるといった事態を避けるため備蓄の指示をだす。 また、家造りや子作りは特に越冬時に問題になりやすいため、事前に入念な準備と指導が必要だろう。 いや、しかし、コーディネーターというのは何だろうか?家や広場を飾ると言っていたがそんなことが必要なことなのだろうか? 生活に余裕を持てる強い生き物、例えば人間や妖怪が余暇を利用してそういった楽しみを追求するのは分かる。 しかし、ゆっくりは弱い生き物だ。そう、無い知恵を振り絞り、必死に頑張って働いても他の生物にあっさりとその命を踏みにじられるほどに弱い。 そんな生き物に必要なのはまずは生きるために働くことではないだろうか? 男はその疑問を四匹にぶつけてみた。 「まりさとれいむとぱちゅりーの仕事は分かった。でもありすのコーディネーターは本当に必要な仕事のか?」 「ゆ?」 「ゆぅ~?」 「むきゅきゅ?」 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!どっでも゛どがいはなじごどでしょおぉぉぉぉぉぉ!!!」 ありすを除く三匹の疑問の声とありすの絶叫が里山に木霊した。男はありすを無視して平然としたまま続ける。 「だって、そうじゃないか。なあ、まりさ。ありすは飾り付けをするよりご飯集めをした方が いっぱいご飯が集められて良いと思わないか?」 「ゆ?ゆぅ~、でも……」 「飾り付けは生きるために絶対必要って訳じゃないんだろ?なら、ありすには狩りに参加してもらって 美味しいものをいっぱい集めてもらう方が食べるものがたくさんになってゆっくりできるじゃないか?」 「ま、まりさにはわからないよ……」 「れいむはどうだ?ありすは飾り付けをするより、たくさんのこどもを育てて一人前にする方が群れに貢献できると思わないか?」 「ゆゆっ!」 「ぱちゅりーは?運動が苦手なぱちゅりーはありすが手伝ってくれれば、より効率的に働けるんじゃないか?」 「むきゅう……」 男が三人に声を掛けるのを聞きながら、ありすは焦っていた。まさか自分の仕事をこんなところで人間に完全否定されるなんて思ってもいなかった。 今の今まで都会派な自信に満ち溢れていた心が急速に萎えていく。もしも、群れで自分の仕事が認められなければ、仲良し組で自分だけ子供のままということになる。 嫌だ。絶対に嫌だ。 子供の頃からずっと一緒で仲良しだったみんなが一人前になるのを尻目に一人だけ子供のままでいる。 やがては結婚し、子供を作り、立派な親になるみんなに置いていかれて一人だけ結婚もすっきりもできないままでいる。 そんなの全然都会派じゃない。田舎者だ。とびきりの田舎者だ。 「ぞんなのい゛や゛だあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 「ありす、おちついてね!ゆっくりしてね!」 「むきゅ!とりみだしちゃだめよ、ありす!そんなのとかいはじゃないわ!」 「どがいはじゃないのはい゛や゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 れいむとぱちゅりーが何とかありすを落ち着けようとしている。その様子を横目にまりさは男に食って掛かった。 「おにいさんやめてね!ありすをいじめないでね!」 「別に虐めてるつもりはないんだけどなあ。ただ本当のことを言っただけであって」 男には反省の色は全く無い。いや、男はそもそも間違ったことを言ったとも思っていない。 普段ゆっくりと触れ合う機会の殆どない男には、ありすの都会派へのこだわりとそれを自分が踏みにじったことなど分かるはずがなかった。 「なにがぼんどうのごどだあ!ゆ゛っぐり゛でぎないじじい゛はゆ゛っぐり゛ぜずにじねぇ!!」 先ほどの男の言葉を聞き咎めたありすがとうとう暴発した。 れいむ、ぱちゅりー、まりさを置き去りにして男の足に向かって体当たりを繰り返す。 「おいおい、なんて事するんだ。せっかく群れのためになるよう忠告してやったのに。まったくありすは悪いゆっくりだな」 男のその言葉に、まりさは自身のあんこが急激に冷えていくのを感じた。代わりに忘れていた人間への恐れが急激に浮上してくる。 ありすの気持ちは分かるが人間を怒らせるのだけはまずい。 ふと横を見る。するとれいむとぱちゅりーは既に恐怖にぶるぶると震えていた。とても動けそうな状態ではない。 自分がやらなければならない。ありすを落ち着かせ、人間さんに謝って、みんなを連れて一刻も早くここを立ち去らなければならない。 「お、おにいさん!ゆっくりごめんなさい!ありすもわるぎがあるわけじゃないんです!」 「ジジイ呼ばわりした挙げ句に体当たりまでしといて悪気はないって言われてもなあ」 「ゆ、ゆぅ……。ありす、そんなことしちゃだめだよ!ゆっくりできなくなるよ!」 男とまりさの会話の間も体当たりを続けていたありすをまりさが制止する。 「ゆっくりまっててね、まりさ!もうちょっとでこのじじいをたおせるわ!」 しかし、ありすは従わなかった。いや、むしろ攻撃が効いていると確信して勢いを強めている。 あまりの怒りに人間への恐怖も親の教えもあんこの遙か彼方へ飛んで行ってしまったようだ。 「にんげんざんをだおぜるわけないでしょおおおお!!おねがいだがらやべてよおおお!!」 「う~ん、もういいや。最初は礼儀正しいゆっくり達かと思ったけどやっぱり害獣なんだな。 放っとくと里に迷惑を掛けるかもしれないしお仕置きしとくか!」 男の口から死刑宣告にも等しい言葉が発せられた。 恐怖のあまり硬直していたれいむとぱちゅりーがその言葉に弾かれたように動き出した。二匹揃ってゆっくり式の土下座を繰り返す。 「おねがいだがらびゅるじでぐだざいぃぃぃ!あやばりばずがらあ゛ぁ゛ぁ゛!」 「むきゅう!むきゅきゅう、むきゅう!」 懸命に命乞いをする二匹、ぱちゅりーに至っては余りの必死さに言語を失っている程だ。 しかし男はそんなゆっくり達の懇願を全く意に介さない。 「い~や、ダメだ。お前達はクズだ。害獣だ。一匹残らずお仕置きする」 そう言うと、男はゆっくりからすると信じがたい程の速さでいまだに体当たりを続けるありすとそれを止めようとするまりさから それぞれカチューシャと帽子を奪い、それでも土下座を繰り返すれいむとぱちゅりーからも飾りを取り上げた。 そのままの勢いで宣言する。 「お前達はまだ悪いことをしたわけじゃないから命だけは助けてやる。だが、ゆっくりにとって一番大事だという飾りは破壊させてもらう」 そして間髪入れずに全ての飾りを力尽くで引きちぎり、たたき割った。 「「「「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」」」」 四匹の悲鳴が里山に響き渡る。飾りのないゆっくりは仲間はおろか親姉妹からさえ排斥される。 これでもう四匹がゆっきりできる可能性は一切無くなったと言っても過言ではない。 「じゃあな!ゆっくりども!これに懲りたら少しは良いゆっくりになれよ!」 そして男は、悲鳴を上げた体勢のまま茫然自失の四匹を置いて意気揚々と里山を下っていった。 その顔には自分が悪いことをしたという罪悪感など微塵も感じられない。 逆に、里を害獣から守ったという達成感とその害獣にさえ更生の道を与えてやったという満足感に輝いていた。 おまけ どうしてこんなことになったんだろう。 男が去ってから数十分、ようやく思考を取り戻したまりさは自問自答した 大切な大切なお帽子さんを失ってしまった。 もうすぐ一人前になれるはずだったのに。お母さんや妹たちから祝福されて巣立ち、立派に仕事をこなし、 そしてやがてはれいむにプロポーズするはずだったのに。 全ては失われてしまった。 お母さんも妹たちも群れでの立場もれいむとの幸福な生活も生まれてくるはずだった子供達も、全て。 ほんのついさっきまで輝くような未来があったはずなのに。 今や残された未来は、飾りのない、ゆっくりできない日陰者ゆっくりとしてのくすんだ未来だけ。 どうしてこんなことになったんだろう。 「……ありすのせいだよ」 まりさと同じように沈痛な面持ちで何事かを考え込んでいたれいむがぽつりと言った。 そうか、ありすのせいだったのか。 「ありすがおかあさんたちのことばをわすれて、にんげんさんにさからったからこうなったんだよ……」 風の音に紛れてしまいそうなくらい小さな声だったその言葉は、しかし、今の四匹にはどんな音よりも大きく聞こえた。 そうだ、自分は必死で止めようとしたのにありすは……。 「むきゅ。それにありすはむれのためにならないしごとをしようとしてたわ。さいしょからゆっくりできないゆっくりだったのよ」 ぱちゅりーが更に付け加えた。 そうだよ、今考えればお兄さんが言ってたことが正しいじゃないか。 「ま、まって!ありすはそんなつもりじゃ「ばりずのぜいだよおおおおおおおおおおお!!!」 反論しようとしたありすの言葉を遮ってれいむが叫んだ。あんこの奥底から絞り出したような怨嗟に満ちた叫びだった。 「むきゅう。ありすにはしつぼうしたわ」 ぱちゅりーもありすを見限ろうとしている。 ありすは二匹の責めに耐えられなくなりまりさを見た。大好きなまりさ。とっても都会派で、格好良くて可愛いまりさ。 一人前になって、自分に自信が持てたその時には、ずっといっしょにゆっくりしようとプロポーズするつもりだったまりさ。 まりさならきっとありすを助けてくれる。 「……ま、まりさ」 まりさは何も言わなかった。ただその目だけが、怒り・憎しみ・絶望といった様々な負の感情が混じり合い爛々と輝いている。 まりさは何も言わなかった。何も言わないまま、ありすに渾身の体当たりを仕掛けた。 「ゆげぇっ!」 ありすは予想外の展開にまともな抵抗も出来ずにふっとんだ。全身に痛みが走る。 そして制裁はそれで終わらなかった。まりさと、感情を爆発させたれいむがありすに突っ込んでいく。 「……」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「ごみくずありすはしにさない!しんでぱちゅりーたちにおわびしなさい」 無言で襲いかかるまりさの攻撃と怨嗟の言葉と共に襲いかかるれいむの攻撃。ぱちゅりーの罵声。 ありすは身も心も既に虫の息だ 「も、もっとゆっく――ゆべぇっ」 とうとうありすはお決まりのセリフすら言えずに息絶えた。 三匹はそれでも決して攻撃を止めようとしない。 攻撃を止めれば現実と向き合わなければならなくなる。これから死ぬまで全くゆっくり出来ないであろうという現実と。 それが何より恐ろしかった。先にあっさりと死んだありすはまだ幸せなのかもしれない。 これから先、この三匹に決して幸福は訪れない。 このSSに感想をつける
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やぁ。ぼくは虐待お兄さん。みんな元気にいじめてるかなー? 自分で虐待お兄さんって呼ぶのは変だって?まぁそれはさて置き。 新たないじめグッズを探そうと香霖堂に出掛けた帰り。 「「「ゆっく「ゆっくりしていってね!!!!!」 「「「「「ゆ゛っ!!!」」」」」 我が家の扉をくぐると、案の定玄関兼トラップに饅頭どもが掛かっていた。 玄関には鍵がかかってないが、その奥は流石に荒されると困るので鍵をかけてある。 バスケットボール大のゆっくりまりさとれいむが1匹ずつ、 加えて二まわり小さいまりさが4匹、れいむが3匹。親子だろう。 「ここはれいむのおうちだよ!!!ゆっくりできないおにいさんはとっととでていってね!!!ぷんぷん!!!」 「「「「「「「でていっちぇね!!!ゆっくちちにゃいででていっちぇね!!!ぷんぷん!!!」」」」」」」 ぼくに挨拶を遮られてお怒りになったようで、頭から湯気を上げている。おお、こわいこわい。 「ここはお兄さんのおうちだよ。ばかなれいむは早く出て行ってね!!!」 「ゆ?ばかなのはおにいさんのほうだよ!!! だれもいなかったかられいむのおうちだよ!!!」 「そうだぜ!!!ここはまりさのおうちだぜ!!! ばかなおにいさんはゆっくりでていけだぜ!!!」 まずは定石通りの挨拶から。この後のお仕置きを心待ちにして笑顔で受け答え。 「ゆー!おきゃあしゃんまりしゃおなかしゅいたよー!!!」 「れいみゅもれいみゅもー!!!」 「ゆゆ?おにいさんははやくまりさたちにごはんをもってくるんだぜ!!! それができないならとっととでてくだぜ!!!」 「はいはいゆっくり待っててね。」 ぼくはちょうど生ゴミとして出そうと思っていたくず野菜を取り出した。腐ってはいない。 但しその中にはゆっくり用利尿剤を仕込ませてある。 「はーい注目ー!これからお兄さんがごはんをあげるから、良い子はゆっくり並んでまっててね!!!」 「「「「「「「ゆゆー!!!」」」」」」」 子供達は我先にと集まってくる。だが・・・ 「「「ゆ゛あ゛ああぁぁぁああ!!」」」 「「ゆべじ!!!」」 「まずはまりさからなんだぜ!!!ちびたちはゆっくりまっててね!!!」 「「「いぢゃいよ!!!どぼじでごんにゃごどじゅるにょぉおおお!!!」」」 「ちびちゃんにな゛に゛す゛る゛ぼぉおおおおおおおぉぉおお!!!」 後から突撃してきた親まりさに敢え無くすっ飛ばされる。 親れいむは我が子が傷つく様子を見てゆーゆーと涙を流しているが何もしない。 おお、あわれあわれ。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 親まりさは我が子や伴侶の様子も目に入らず、満面の笑みを浮かべている。 「ゆゆっ!まりさゆっくりちーちーしたくなってきたよ!!! おにいさんはあっちむいててね!!! 饅頭にも羞恥心ってあるんだね。感心しているとまりさは体を後ろに傾け・・・ 「はーい、お兄さんの言うこと聞けなかったまりさはお仕置きだよー!!!」 「ゆゆゆ?なにいってるのぜ???」 「いい子は並んで待っててって言ったよね?聞いてないの?ばかなの?」 「は、はなせだぜえええええええええ!!! はずかしい!!!みないで!!!あっちむけだぜ!!!」 まりさの頭を帽子ごと鷲掴みにして、家族の前に突き出した。 「れいむ、れいむううううううう!!!まりさをゆっくりたすけるんだぜえええ!!!」 当の家族達はと言うと、 「「「「「「「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー♪」」」」」」」 「むーしゃ、ゆっくりできないまりさはむーしゃ、おにいさんにおしおきされててね!!!しあわせー♪」 当然の結果であるが、 「でいぶどぼじでえ゛え゛え゛えええぇぇぇえええぇぇええ!!!」 まりさは見捨てられた失望から哀れな悲鳴を上げている。 ぼくは懐から鉛筆を取り出し、まりさの顎の下を至近距離で見つめていた。 「や゛め゛でえ゛え゛ええええええ!!!までぃざのぢーぢーみ゛な゛い゛でぇぇええええ!!! でちゃう゛!!!でぢゃう゛う゛うううぅぅううううう!!!」 ちょろちょろちょろ・・・ 「ゆ・・・ きーもちーちー・・・」 まりさの顎から一筋の水流が流れだした。 「はーい、それじゃお仕置きだよー!ゆっくり反省してね!!!」 「ゆ゛、ゆ゛があ゛あ゛ぁぁああああああああああああ!!!」 ぼくはその水源目がけて鉛筆を突き立てる。 「ぢーぢーでな゛い゛、でな゛い゛ぼお゛お゛ぉぉおおおおおおおぉぉおおお!!!」 更にその鉛筆でゆっくりと内部を掻き回していく。 「ゆ゛がっ、ゆ゛っぎゃああああ、ゆ゛がっ、ゆ゛がっ、ゆ゛っぎゃあ゛あ゛ぁぁあああああぁぁあああ!!!」 まりさはぼくの指の動きに合わせて悲鳴を上げている。 「ゆゆっ!まりさがくるしがってるよ!!!おにーさんはとっととまりさをはなしてね!!!」 「「「「「「「やめてあげちぇね!!!おきゃーしゃんをはなちて!!!」」」」」」」 「お仕置きだから仕方が無いんだよ。ゆっくり理解してね!!!」 「ゆゆー!ゆっくりわかったよ!!!まりさはゆっくりはんせいしていってね!!!」 「「「「「ゆっくちはんしぇえちていっちぇね!!!」」」」」 「で、でい゛ぶひどい゛だぜ、ゆ゛っぎゃあ゛あ゛あああぁぁあああああ!!!」 「ゆゆっ!れいむもゆっくりちーちーしたくなってきたよ!!!」 「まりしゃもちーちーしちゃくなっちぇきたよ!!!」 「まりしゃも、まりしゃもー!!!」 「れいみゅもちーちーすりゅー!!!」 「ゆゆっ?れいむたちはちーちーするからゆっくりおにいさんはあっちむいててね!!!」 「「「「「「「「みにゃいでにぇ!!!あっちむいちぇちぇね!!!」」」」」」」」 「ところでみんな、ここは誰のおうちかなー?」 「ゆ?なにいってんの?ここはれいむのおうちだよ?ばかなの???」 「「「「「「「ばきゃなにょ???」」」」」」」 「残念でしたー!ここはお兄さんのお家だよ!!! ばかなれいむと釣られたちびちゃんたちはゆっくりお仕置きだよ!!!」 「ゆっ、ゆ゛あ゛あああぁぁああああああ!!!」 「おきゃあしゃん、ゆ゛ぎゃぁああああああああ!!!」 「ゆ゛っぐじじだいよぉお゛お゛おおおおおお!!!」 「たじゅげで!!!おぎゃあじゃんだじゅげでえええええ!!!」 ぼくはれいむとちび饅頭どもにも残らず鉛筆を挿入すると、 まりさも含めて鉛筆を中心に向けて円陣に配した。 更に中央には携帯電話の1個を置いてガムテープで鉛筆を固定する。 「「「「「「「「「ゆ゛ゆ゛っ!!!ゆ゛うううぅぅううう゛う゛うううぅぅうう!!!」」」」」」」」」 痛さと、尿が出ない苦しさからゆっくり達はゆーゆーと涙を流している。 鉛筆が刺さるは足の付近であるため、逃げだそうとすると激痛が走る。動けない。 「はーい、もう1回聞くよー!ここは誰のおうちかなぁ?」 「こ、ここはまりさのおうちだぜ!!! ヴィーン、ヴィーン、ヴィーン、ヴィーン 「「「「「「「「「ゆ゛あ゛ぁぁっ、ゆ゛あ゛ぁぁっ、ゆ゛あ゛ぁぁっ」」」」」」」」」 もう一方の携帯電話を操作して中心部の携帯電話を振動させる。 饅頭どもはそれに合わせて悲鳴を上げ、顔を歪める。 香霖堂のにーちゃんによるとばいぶれーしょんって言うものらしい。 「「「ゆ゛、ゆ゛ぅうう・・・」」」 振動を止めてゆっくり達に語りかける。 「言い忘れてたけど、一人でも間違ったらみんなお仕置きだよ!ゆっくり理解してね!」 「なにいってるのまりさ!!!ばかなの?ここはれいむのおうちにきまって・・・ 「はーいまた不正解! みんなお仕置きーー!!!」 ヴィーン、ヴィーン、ヴィーーーーーーン 「「「「「「「「「ゆ゙あ゙っ、ゆ゙ぎゃっ、ゆ゙あ゙あ゙ぁぁぁあああああ!!!」」」」」」」」」 「誰か一人でも正解できたらみんな放してあげるよ!ゆっくりがんばってね!!」 「「「ゆ゛・・・・ゆ゛ううぅぅううん・・・」」」 「早くしないとお仕置きだよ、ゆっくりしないでね答えてね!さん、に、いち!」 ヴィヴィヴィ、ヴィヴィヴィ、ヴィヴィヴィ・・・ 「「「「「「「「「ゆあ゙っゆあ゙っゆあ゛っ! ゆあ゙っゆあ゙っゆあ゙っ!・・・」」」」」」」」」 「ゆっゆっゆっゆっゆっ・・・」 振動が止んでも一匹の子まりさの鳴き声が止まらない。 「ゆーんれいみゅう♪」 「どうちたにょまりしゃ?」 「なんかまりしゃしゅっきりしたくなっちぇきたよ! ゆっゆっゆっゆっ♪」 「や゛、や゛べでぇぇえええええ! しゅっきりしたらゆっくちできにゃああああい!!!」 「お仕置き中にすっきりしたがるまりさちゃんはお仕置きだよ、みんなもだけどね。ゆっくり理解してね!!!」 ヴィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン 「「「「「「「「「ゆ゛っぎゃあ゙あ゙あああぁぁぁあああああああああああ!!!」」」」」」」」」 「「「「ま゛り゛じゃのへんちゃい!!!しきじょおまぁあああ!!!」」」」 「ぢょぼじでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛ぼぉおおおおおおおお!!!」 難しい言葉知ってるんですね。おお、すごいすごい。 「「「「「ゆぅ・・・ ゆぅ・・・ ゆぅ・・・」」」」」 さすがに疲れてきたようで、静かな息を湛えている。 「はやくおうちかえりちゃいよー・・・」 「なにいってるの・・・ここはれいむの「ここはおにいさんのおうちだぜ!!!ゆっくりはなしてくれだぜ!!!」 間一髪、まりさの機転だった。本心かどうかはわからない。 「はーい正解!約束どおりみんな放してあげるね!!!」 「「「「「ゆっ!ゆゆーーーーーーーーん!!!」」」」」 久々に饅頭どもに笑顔が戻る。 「ゆゆっ、せいかいしたんだからゆっくりれいむたちからぼっこをぬいてね!!!」 「正解したのはまりさだけどね。お兄さんは放してあげるとは言ったけど棒を抜くとは言ってないよ。ばかなの?」 「「「「「「「「「ゆっ!!!ゆ゛あ゛あ゛ぁぁあああああああぁぁぁあああぁぁあ・・・」」」」」」」」」 饅頭どもは再び絶望に満ちた表情に戻り、ゆーゆーと涙を流している。 「ところでれいむ?ちーちーしたくないのかい?」 「ゆゆっ?れいむゆっくりちーちーするよ・・・ ゆ゛がっ!!!い゛だい゛い゛ぃぃいいいいいい!!!」 「「「「「「「ぢーぢーでにゃいよぼぉおおおおおおお!!!」」」」」」」 「お゛、お゛に゛い゛ざんはゆっぐじま゛り゛ざにぢーぢーさせるだぜええええええ!!!」 「何度言わせるかなぁ、お兄さんは君達のちーちーまで責任取れないよ。ゆっくり理解してね!」 「「「「「「「ゆ゛っ!ゆ゛っ!ゆ゛っ!ゆ゛っ!ゆ゛っ!」」」」」」」 饅頭達は増大する尿意、痛みを堪えて懸命に抜け出そうとしているがもちろん簡単にはいかない。 「ゆゆっ・・・やっと抜け出せたぜ・・・ちょろちょろちょろ・・・」 30分後、親まりさが漸く鉛筆から抜け出した。疲れ果てながらも尿道からどぼどぼと水浸しの餡子を垂らしている。 「はいっ、まりさはゆっくり掃除してね!」 「ゆゆっ、なんなのぜ?」 「ここはお兄さんのお家だから、汚いちーちーまみれの餡子を垂らしたまりさは責任とって掃除していってね!!! きれいに掃除できたらみんなのぼっこ抜いてあげてもいいよ!!」 「ゆ・・・・まりさのちーちーきたなくないも・・・・・・」 「まりさはがんばってれいむたちをたすけてね!!!」 「「「「「「「たしゅけちぇね!!!」」」」」」」 「も、もうこりごりだ・・・まりさはさきにかえるだぜ・・・」 「ど、どぼじでぞんな゛ごどい゛う゛の゛ぉおおおおおおぉおおお!!!」 「「「「「「「お゛ぎゃあじゃん゛の゛ひとでな゛ち゛ぃいいいいい!!!」」」」」」」 そう言ってまりさはとぼとぼと歩きだし・・・ すぽっ!! まりさの帽子が取り上げられる。 「助けを求める家族を見捨てるまりさは悪い子だね!!!ゆっくり家族を助けていってね!!!」 「までぃざの、までぃざのぼおじぃいいいいいぃいいいいい!!!」 餡子を垂らしながらぴょんぴょん飛び跳ねる。なんだまだ元気あるじゃん。 「自分の汚したところきれいに食べていってね!!!さもないと帽子返してあげないよ? ゆっくり理解していってね!!!」 「ゆ゛・・・ゆ゛ぅ・・・」 「ぺーろ、ぺーろ、まずまずー・・・」 「あれ?まりさ?さっきまりさのちーちーきたなくないもって言ってたよね?」 「ゆ゛・・・ゆ゛ぐぅ・・・・・」 「あとそっちもまだ汚れてるからゆっくりぺろぺろしていってね!!!」 「ゆ゛・・・・・も゛う゛い゛やだお゛う゛ぢがえ゛り゛だい゛ぃぃいいいい!!!」 「まりさはゆっくりしないではやくれいむたちをたすけてね!!!ぷんぷん!!!」 「おきゃーしゃんがんばっちぇー!!!」 「ゆ゛・・・ゆ゛う゛う゛う・・・・・」 「はーいまりさちゃん御苦労様!それじゃみんなゆっくり助けるよー!」 約束は約束。すんなり助けてやることにする。 「「「「「「「「ゆゆっ!ゆっくちちーちーできるよ!!!」」」」」」」」 「ちょろろろろろ、しあわせー♪」 「「「「「「「「「ぷりゅぷりゅりゅ、ちあわちぇー♪」」」」」」」」 辺りに餡子まみれの小便を撒き散らす。 「あれ・・・? まりさのぼうしどこ?どこなの?」 親まりさはきょろきょろと辺りを見回す。 「あーあ、また汚れちゃったね・・・きれいにしないと。おっとこんなところに雑巾があるぞ?」 「ゆ゛ーっ!!!ま゙り゙ざの゛ぼおじでなにずるの゛!!!お゛に゛い゛ざんはゆ゛っぐじやべでね!!!」 「「「「「おきゃーしゃんをいじめにゃいで!!!やめちぇあげちぇね!!!」」」」」 ふきふきふきふき っと。 「ばりざのぼおじ、ばりざのぼおじいいいいい!!!」 「どうぞ、返してあげる♪」 「ゆ゛ゆっ!!!ゆ゛ぎゃあ゛ぁぁあああああばでぃざの゛がわ゛い゛い゛ぼう゛じがぁぁぁあああああ!!!」 餡子まみれの小便まみれ。甘い中にも鼻を突くような香りがする。 「ゆゆっ?まりさのぼうしくさくてきたないよ!!!ゆっくりあっちいってね!!!」 「ど、どぼじでぞん゛な゛ごどい゛う゛のぼぉぉおおおおおおぉぉぉおおおお!!!」 「はーいれいむちゃん、頑張ってくれたまりさちゃんに何てこと言うのかなぁ?」 「ゆゆっ?ぼうしのくさいまりさとはゆっくりできないよ!!!」 「帽子なんかで判断しちゃうの?そんな人で無しはゆっくり反省してね!!!」 「ゆ゙べじ!でいぶのお゛り゛ぼん゛がえ゛じでぇぇええええぇぇええええ!!!」 れいむの頭を右足で踏みつけ、素早くリボンを奪い取る。 「や゙め゙でぇえ゙え゙ええぇぇえええぇえぇええ!!!でい゙ぶのお゙り゙ぼん゙でな゙に゙ずる゙ぼぉぉおおぉぉおおおお!!!」 「あーあ、また汚れちゃったなぁ。ふきふきふきふきっと。」 丹念に、床全体を仕上げていく。 「でいぶのだいじな、だいじなおぢぼんがえじでええぇぇええぇぇえ!!!」 ついでにまりさやちび達の傷口も拭いてあげる。 「きれいにしてあげる♪」 「ゆ゛ぁっ・・・ゆ゛ぐう・・・」 「おきゃーしゃんのおぢぼん・・・やわらきゃくてきもちいよ・・・」 「はい、とかいはなこーでねーとにしてあげたよー♪」 「ゆ゛あ゛っ!でい゛ぶの゛ずでぎな゛お゛ぢぼん゛がぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ゛あああああ!!!」 びちゃびちゃかつリボン全体にカビが生えたかのごとく餡子まみれになった。おお、ひどいひどい。 「でいぶのおぢぼん、ゆっぐじぎれいにじでね!!!ゆっぐじぎれいにじでね!!!」 「おにいしゃんはゆっくちおきゃーしゃんのおりぼんをなおちてあげてにぇ!!!」 「お兄さんが折角こーでねーとしてあげたんだから、遠慮はいらないんだよ?」 全身を震わせ嫌がるれいむを両足で押さえつけしっかりと括りつける。 「「「「おきゃーしゃんいやがってるよ!!!やめちぇあげちぇ!!!」」」」 「やべでね!!!ゆっぐじやべでね!!! ぞんなぐざいのでいぶのおぢぼんじゃないぼおおぉぉおおおぉおおお!!!」 「はーいみんな御苦労様。ここはお兄さんのお家だよ。家族を見捨てちゃだめだよ。 帽子で人を判断しないでね。理解できたらゆっくり帰ってね!!!」 「でいぶわるくないぼおおおお!!!まりざがさいしょに・・・」 「まりさのせいじゃないも・・・」 どかっ 「ゆ゛がっ!!いだいのぜ!!!」 どかっ 「でいぶの゛ずでぎな゛がみ゛がぁぁあああぁぁあ!!!」 どかっ 「おきゃーしゃんをいぢめにゃいで!!!ゆわあああああん!!!」 「まりじゃはわるぐだいよ!!!ゆぎゃあああ!!!」 「おぎゃあじゃんのおぢぼんなおぢであげで!!!ゆびぇっ!!!」 「ゆぎゃ!!!どぼぢでごんにゃごどじゅりゅにょ!!!」 饅頭を一個一個、死なない程度の力で残らず蹴り出した。 だけどこれでは終われないよ。ぼくは虐待お兄さん。寺子屋の先生とは違う。 夕闇が近づく草原の中、満身創痍ながら我が家に向かう饅頭の後をゆっくりと付けていった。 つづくかも?と宣言していましたが収拾つかなくなりそうです。 続くとしたら少し違う話になると思います。 by まりさつむりの人 他に書いたもの 白玉楼系5 みょんとの出会い アリス系16 アリスのゆっくり水爆弾 ゆっくりいじめ系1293 ゆっくり昆虫型出産 ゆっくりいじめ系1024 嘘つき少女の悲劇 ゆっくりいじめ系932 愛しのありす ゆっくりいじめ系800 まりさつむりの記憶 このSSに感想を付ける
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その4より 「さてと、今日は誰が虐待されるのかな?」 三匹の虐待から一匹のみの虐待に変わってから、すでに十日が経過した。 男が壁越しに恒例のセリフを吐いてくる。 それに対し、こちらのセリフも、この十日間変わることはなかった。 「ゆゆっ!! まりさをゆっくりつれていってね!!」 「……またお前か。いい加減、お前を痛めつけるのは飽きてきたんだがね」 「おにいさん、やくそくはやぶらないでね!! まいにちおなじでもいいって、まえにいったよ!!」 「わーってるよ、全くお前も強情だな」 そう言って、男の足跡は遠ざかって行った。 れいむは、黙ってまりさと男のやり取りを聞きながら、やり過ごした。 ありすも男が去るまで、無言を貫いている。 「ゆふぅ……」 足音が聞こえなくなって、れいむはホッと息をもらす。 男がいつ発言を翻して、再び全員を虐待するといってこないとも限らない。 足音が聞こえなくなるまで、一切の気は抜けない。 これもこの十日間変わらぬ光景だった。 この十日間、れいむとありすは、一度も男の虐待を受けていなかった。 それもそのはず、すべての虐待をまりさ一匹が被ってくれていたのである。 まりさは男が発言を撤回しても構わないといったにも関わらず、頑なにそれを拒み、自分を虐待しろと繰り返した。 結果、れいむは男にここに連れて来られて以来、久しく味わっていなかったゆっくりとした時間を満喫することが出来た……はずだった。 そう、出来たはずだったのだ。 部屋から出られないことを除けば、美味しいご飯に温かい毛布、そして隣には大好きなまりさと親友のありす。 好きな時に起きて、好きな時に好きなだけご飯を食べて、好きな時に眠るれる日々。 実にゆっくりした生活である。 しかし、れいむはこの十日間、本当の意味で“ゆっくり”した時間を過ごすことは、一度として出来なかった。 肉体的には、確かにゆっくり出来ただろう。 男から受け続けた虐待の傷も、すっかり癒えた。 寧ろ、森で暮らしていたころより丈夫になったくらいだ。ドッグフードとは言え、栄養バランスが良いおかげだろう。 しかし、精神面ではゆっくりとは到底いかなかった。 どんなにゆっくりしようとしても、圧し掛かってくるのは、まりさへの負い目と自己嫌悪。 更には、いつか男が元の虐待スタイルに戻すのではという恐怖心。 これらがれいむの心を乱してしまう。 ゆっくりは、心身ともにゆっくり出来ていて初めて“ゆっくり”した状態と言える。 如何に身体がゆっくり出来ていようと、心がゆっくり出来なければ、それはゆっくりしているとは言えないのである。 と言っても、贅沢をいう訳にはいかない。 れいむ以上に苦しいのはまりさなのだ。 まりさは、れいむとありすの苦痛を一身に背負っていてくれるのだ。 まりさは毎日れいむとありすに「ゆっくりしていってね!!」と声をかけてくれる。 心の底から、二匹にゆっくりして欲しいのだろう。 ゆっくり出来ていないなんて、死んでも口に出せるはずはなかった。 そんな時である。 壁越しにありすが声をかけてきた。 「ねえ、れいむ……いまいいかしら?」 「ゆっ? うん、いいよ!!」 そう言えば、ありすと二匹だけで話をすることも、最近はめっきりと減ってしまった。 まりさが男に連れていかれてから一時間の間は色々と考え込んでしまい、どうしても話をする気分じゃなくなってしまうのだ。 だからと言って、まりさが部屋に戻って来ても、あまり話はしない。 部屋に戻るや、まりさは疲れと痛みからすぐに寝てしまうので、れいむとありすの話し声で起こすわけにはいかないからだ。 結果、まりさが起きた後、ホンの少しの時間、三匹で話をするのがここ数日の日課となっており、それにしたって負い目を感じずにはいられないものであった。 二匹だけで話をするのは、本当に久しぶりである。 「ねえ、れいむ!! あなた、いまゆっくりできてる?」 「ゆゆっ!?」 ありすが何でそんな質問をしているのか、すぐには理解できなかった。 しかし、頭の中で言葉を反芻し、ゆっくりと考えてみると、ありすが何を言いたいのか、何となく理解できてきた。 「……ゆっくりできてるよ。まりさのおかげで……」 「そう……」 「ありすはゆっくりできていないの?」 「……もちろんゆっくりしているわ。まりさががんばってくれているんだもの!!」 ゆっくり出来ていると、ありすの弁。 しかし、言葉の中に隠れているありすの本音は、間違いなくれいむと同じものであった。 結局のところ、ありすもれいむ同様、まりさに負い目を感じ、ゆっくり出来ていないのだ。 「れいむ……ありすたち、このままでいいのかしら?」 「ゆっ? このままって?」 「いつまでもまりさにたよりきって、くらしつづけていることよ」 「ゆぅぅ……」 「まりさは、ありすやれいむのためにまいにちぼろぼろになっているのに、ありすたちはまりさになんにもしてあげられない」 「ゆぅ……」 「ねえ、れいむ!! ほんとうにこのままでいいのかしら?」 「……いいわけないよ。いいはずがないよ!! でも!! でもっ!!!」 れいむだってありすに言われるまでもなく分かっている。 このままでいい筈がないのだ。 まりさは、れいむとありすのために、毎日地獄のような虐待をされ続けている。 すべてはれいむとありすをゆっくりさせるために。 だというのに、肝心の二匹が、まりさを気にしてゆっくり出来ていないというのだから、本末転倒もいいところである。 でも…… 「でも……れいむ……いじめられたくないよ……」 「んん……」 そう、結局はここに行きついてしまうのだ。 しかも、れいむは男からの虐待を受けなくなって、もう十日もたっている。 これが以前の様に、毎日虐待されていた時なら、たまには自分がされるのも有かもしれなかった。 自分たちではなく男が虐待する者を選んでくれていたら、最初から諦めがついて、却ってよかったかもしれなかった。 しかし、平穏な日常に慣れたれいむは、以前にも増して、一層虐待への恐怖が強くなっている。 もう二度と虐待はされたくない。何に変えても!! 何をおいても!! 偽らざるれいむの本音であった。 こんなことなら最初からサイクル回しで虐待をされるんだった。 れいむは、最近ちょくちょくそう考えるようになっていた。 それなら全員が虐待を受け、誰一人負い目を持つこともなかった。 それ以前は毎日虐待されていたのだ。虐待が無くなる訳ではないが、三日に一回ならあの時のれいむなら十分満足できただろう。 考えてみたら、あの毎日虐待されていた時は、虐待自体は辛く苦しかったけど、三匹で過ごす一時はとてもゆっくり出来ていた。 実に充実していた。全員の心は一つだった。 しかし、どんなに過去を振り返ろうが、時間は戻らない。 結局、れいむはどんなにまりさを心配しても、何一つしてやることは出来ないのだ。 「……ねえ、れいむ……まりさって、すてきよね!!」 「ゆっ!?」 突然、何の話をしたいのか、ありすがそんなことを言ってきた。 「はじめてあったときから、すごくきれいゆっくりだっておもってたけど、そのうえあたまもよくて、やさしくて、ゆうきがあって、そして、すごくゆっくりしていて……とってもとかいはよね!!」 「ありす……いったいどうしたの?」 「れいむ!!」 「ゆっ!?」 「ありすは!! ありすは、まりさがすき!!!」 「!!!!」 「まりさがすきなの!!!」 ありすは、れいむに向かって、いきなり爆弾発言をしてきた。 れいむには、突然そんなことを言ってくるありすの意図が掴めなかった。 好きと言っても、いろいろある。 家族に対し、友人に対し、恋人に対し。 ありすがまりさの家族でない以上、友人か恋人かのどちらかであろう。 しかし、友人の場合、れいむに対しても好きと言っていい筈である。 親友という自負がある。れいむの独り善がりではない筈である。 しかし、それがなかったということは、つまるところ…… 「それって、『あいしてる』ってこと?」 「……ゆぅ!!」 ありすは少し躊躇いながらも、しっかりと返事を返してきた。 「……ありすはね、ずっとまりさのことがすきだったの!! でも、まりさってすてきなゆっくりでしょ!! ありすじゃまりさにはあわないとおもって、ずっといわなかったの……」 「……なんでれいむにそんなこというの?」 「もうこれいじょう、まりさにつらいおもいをしてほしくないから……とかいはのけついひょうめいよ!!」 「けつい……ひょうめい?」 ありすが何を言っているのか、さっぱりれいむには理解できなかった。 深く聞こうとしても、「つかれたから、ゆっくりねるわ」と会話を切り上げ、教えてくれなかった。 仕方なく、れいむも毛布に包まり、目を瞑り、ありすの言葉の意味を考え始めた。 “まりさがすきなの” 意味は分かる。 ありすはまりさを愛しているのだ。 つまるところ、れいむと同じということである。 しかし、なぜここにきてそんなことを言ってくるのだろう? なぜ自分にそんなことを言ってきたのだろう? 決意表明とは、いったい何を指して言っているのだろう? どれだけ考えようと、その意味がれいむには分からなかった。 ただ一つ言えることは、ありすはれいむのライバルということである。 れいむもずっとまりさが好きだった。愛していた。 ありすは親友だけど、まりさのことを譲りたくはない。 れいむはその日悶悶としながら、一日中、これまで以上にゆっくり出来ない時間を過ごした。 後日、れいむはありすの言葉の意味を知ることとなる。 「さ〜てと、今日も楽しい楽しい虐待の時間が始まるわけだが……また、今日もまりさか?」 男は気だるそうに、壁越しに言葉をかけてくる。 そんなに面倒くさそうにするなら、すぐさま虐待なんて止めて、れいむたちを森に帰せと言ってやりたい。 怖いので本当に言うつもりはないけど…… 対して、いつも通り、まりさが男に返事を返す。 「ゆっ!! そうだよ!! ゆっくりまりさをつれていってね!!」 全くもって代り映えのない会話である。 男は、これまた気だるそうに「わーったよ……」と返事をして、まりさを連れていこうとする……が、今日はいつもとは違う事態が起きた。 新たな声が乱入してきたのである。 「おにいさん!! ちょっとまってね!!」 ありすだ。 いつもはれいむ同様、男が去るまで口を開くことのない彼女が、行き成りまりさと男の間に割って入ってきたのである。 「おにいさん!! きょうはとかいはのありすが、ぎゃくたいされてあげるわ!! せいぜいかんしゃするのね!!」 「「ゆゆっ!!!」」 「ほう!!」 れいむとまりさの驚愕の声がハモる。 その後、男も久しぶりにおきた変化に、嬉しそうに声をもらす。 「あ、ありす!! いったいなにいってるの!! まりさがぎゃくたいされるんだよ!! ゆっくりじょうだんはやめてね!!」 「まりさ!! いつもまりさはがんばってくれているから、きょうはありすがかわりにぎゃくたいされてあげるわ!! きょうはおへやでゆっくりしていってね!!」 「ありす!! まりさなら、ぜんぜんへいきだよ!! ありすがいじめられることないよ!!」 「でも、もうきめたのよ!! とかいはににごんはないわ!!」 「ゆぅぅ……おにいさん!! おにいさんからもいってあげてよ!! まりさがぎゃくたいされるんだから、ゆっくりりかいしてねって!!」 自分の説得では、どうにも出来ないと悟ったのか、まりさは男に協力を呼びかける。 しかし、毎日まりさばかりで飽きていた男だ。 まりさの言い分を聞くはずもなく…… 「いいだろう、ありす。今日はお前を虐待してやるよ!!」 「なんでええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――!!!!」 まりさの悲鳴を無視し、男はありすに言葉をかける。 「お前にもまりさの酔狂が乗り移ったのか? せっかくまりさが犠牲になることで、ゆっくり出来る日々を送れているってのに。それを自分から壊すなんてな」 「なんとでもいいなさい!! こんなにせもののゆっくりなんて、まっぴらごめんよ!!」 「ふん、なかなか言うじゃないか。その根性が今後も続けばいいがな」 ありすと男の会話と共に、男の足音が次第に小さくなっていく。そして完全に聞こえなくなった。 「ゆうううううぅぅぅ……なんでありすをつれていっちゃうのおおおおおおおぉぉぉぉ――――――!!!!」 まりさは未だに未練たらしく、声を荒げている。 ありすが代わってくれたことで、虐待されずに過ごせるというのに、本当にすごい根性である。 事情を知らなければ、うっかりゆっくりてんこと勘違いしてしまうほどだ。 よほどれいむとありすに傷ついてほしくないのだろう。 或いは、自分が誰のために虐待されているのか分かっているのかという、怒りも含んでいるのかもしれない。 未だ叫んでいるまりさを余所に、れいむは昨日のことを考えていた。 ようやく昨日のありすの言葉の意味が理解できた。 これがありすの言っていた「決意表明」なのだろう。 ありすは、ずっと悩んでいた。 このままでいいのかと。まりさに頼り切ったままでいいのかと。 大好きなまりさの為に何かしてあげたい。まりさの力になりたい。 ここまでは、れいむも常々思っていたことである。ありすとなんら変わらない。 しかし、れいむと違い、ありすは止まっていた足を再び前に出した。 自分が虐待されることによって、まりさの苦労を取り払いたい。 まりさをゆっくりさせてあげたい。 まりさと対等でありたい。 その気持ちが、臆病だったありすを突き動かしたのであろう。 れいむはここに来て以来、心に二度目の衝撃を受けた。 一度目は言うまでもなく、十日前のまりさの言葉である。 れいむは、ありすの行動力に対して、驚嘆と感謝と……嫉妬を感じた。 ありすが虐待されることによって、まりさは今日一日ゆっくりすることが出来るだろう。 例えありすのことを気にして精神的にゆっくりできなくても、一日虐待を受けないだけで肉体疲労度は全然違う。 まりさがゆっくり出来る。その機会を作ってくれたありすに、れいむは大いに感謝した。 それと同時に、れいむは羨ましかった。ありすの行動力が。 れいむと同じく臆病だったあのありすが、こんな大胆な行動を起こしてくるとは思わなかった。 こんな勇気を持っているとは思わなかった。それが羨ましくて仕方がなかった。 れいむは悔しかった。まりさに対する想いで負けてしまったことが。 昨日のありすの発言を聞いても、自分の方がまりさを想っている、まりさについて考えているという自信があった。 しかし、それもありすの行動で打ち砕かれた。 結局、想いだけだったのだ。口だけだったのだ。 れいむには、ありすの勇気を見せつけられても、それじゃあ自分もという気には到底なれそうになかった。 どうしても恐怖で身が竦んでしまう。虐待を受けたくない。ありすに続くことなんて、到底出来ない。 れいむは焦った。まりさとありすが近付いてしまうことに。 これでありすは、まりさに遠慮する必要が無くなった。まりさに負い目を感じることが無くなるのだ。 スタートラインは同じだったのに、たった一つの行動で、ありすはれいむの遥か先へと行ってしまったのだ。 しかし、何より腹が立つのは、そんなことを考えてしまう自分自身であった。 まりさやありすのように行動もせず、ただその恩恵を甘受している身でありながら、頭に浮かぶことは常に自分のことばかり。 口だけの自分に……何も出来ない自分に……れいむは腹が立って仕方がなかった。 「なんでじぶんからいじめられにいくのおおおおおぉぉぉぉ―――――――――!!!!」 部屋に戻ってきたありすに真っ先にまりさが掛けた言葉であった。 「ゆぅ……まりさ…………あん……まりおおきな……こえを…あげないで……………あたまに……ひびく…わ……」 「ゆっ!! ご、ごめん!! ありす!!」 ありすは、いつものまりさ以上に荒い息を吐いている。 久しぶりにまりさ以外を虐待した男がつい加減を間違えてしまったのか、それとも久しぶりに虐待を受けたありすの体が付いてこなかったのか。 とにかく、ありすが相当苦しそうなことには違いなかった。 しかし、まりさはありすに文句を言うのを止めなかった。 虐待を代わりに受けてくれて文句というのも可笑しな話であるが、ありすの体に差し障りない程度の音量で、ありすを攻め立てる。 「でもね、ありす!! ありすがいじめられることはなかったんだよ!! まりさがいじめられれば、ありすたちはゆっくりできるんだよ!! なんでこんなことしたの!?」 「まりさ……まりさはまえに……いったわよね……だいすきなひとは……じぶんをぎせいにしても…まもらなければならな……いって……」 「そうだよ!! だから、まりさがぎゃくたいをうけるんだよ!! ありすとれいむのために!!」 「ありすも……そう………おもうの」 「ゆっ!?」 「ありすも……だいすきだから……まりさと………れいむが…………きずついてほしくないから……ゆっくりして………ほしいから」 「ゆうぅ……でも!! でもありすはとってもくるしそうだよ!!」 「それは……いつものまりさも………おんなじでしょ……」 「そうだけど、まりさはおねえさんだから……」 「ありす…だって……とかいはよ……しんのとかいはとは……こういうことが……できる…ゆっくりのことを……いうのよ」 「でも!! まりさは、やっぱりいやだよ、ありすがきずつくのは!! あしたはまりさがぎゃくたいされるからね!!」 「だめよ……あしたも………ありすがいくわ!!」 「なんでぞんなごどいうのおおぉぉぉぉぉ――――――!!!!」 「いったでしょ……それが………とかいはと……いうもの…だから……よ」 まりさは何とかありすを翻意させようとしたが、ありすは一向に考えを改めてくれなかった。 その後、ありすの「つかれたわ」という言葉で、二匹の会話は一時幕引きとなった。 さすがにまりさも、傷付いたありすを無理させてしまっては、本末転倒であることを悟ったのだろう。その場は引いてくれた。 しかし、ありすが翌日起き上がると、再びまりさはありすに対し止めろと説得を繰り返す。 それに対し、ある程度回復したありすも一歩も引かなかった。 二匹は男の虐待が始まるまで、延々と話し合い続けた。 その日、れいむは一言も口を挟めなかった。 「それで、今日はまりさとありす、どちらが虐待されるんだ?」 定番の男の言葉である。 それに対し、ありすが口を開いた。 「ゆっ!! きょうは、とかいはのありすがぎゃくたいされるばんよ!! ゆっくりつれていってね!!」 「へいへい」 そう言って、ありすを連れていく男。 そんなありすに対し、まりさは壁越しにありすに言葉をかける。 「ありす!! ゆっくりがんばってね!!」 「だいじょうぶよ!! とかいはをあまくみるものじゃないわ!! まりさこそ、ゆっくりまっていてね!!」 「ゆっ!! ゆっくりまってるよ!!」 まるで仕事に赴く夫と、それを見送る嫁のような会話である。 最近、まりさとありすはいつもこんな感じであった。 ありすが初めて虐待されてから二週間が経過した。 あの日以来、ありすとまりさは交互に虐待される日々を送っている。 まりさは当初、なんとしてもありすの気持ちを変えさせようと躍起になっていた。 自分が虐待される。ありすは虐待されることはないのだ。すべて自分に任せればいい。 まりさはこれを繰り返した。 対してありすも、意地を通し続けた。 これからはありすが虐待される。まりさは休んでいなさい。これが都会派の役割よ。 二匹の意見は、なかなか折り合いがつかなかった。 数日後、先に降りたのはまりさだった。 どんなに説明してもありすは聞いてくれない。まりさはそういう考えに落ち着いたのだろう。 そこで普通のお馬鹿なゆっくりなら、あまりの強情さに敵対に発展することだろう。 自分の主張が通らないことは、ゆっくりにとって耐えられないことだからである。 「なんでまりさのいうことをきいてくれないの? ばかなの? しぬの? まりさのいうことをきかないありすはゆっくりしね!!」 こうなるのが目に浮かぶようだ。 しかし、このまりさは頭が良かった。 何でありすは自分の言うことを聞いてくれないのと憤るのではなく、ありすの心意気をしっかりと受け取ってくれたのだ。 理解したのだ。ありすが本当に自分のことを考えてくれているのだと。 自分に感謝してくれているからこそ、まりさの代わりを務めているのだと。 まりさはその心意気に報いることにしたのである。 その日から、まりさとありすは急激に接近していった。 毎日、変わりばんこで虐待を受けることを決め、互いで負担を減らすことにした。 虐待されていない方は、お互いのことは気にせず徹底的に体を休めることに努める。 受けた虐待を、次に持ち越さないためである。 以前は負い目があってゆっくり出来ていなかったありすも、今では負い目もなく、虐待のない日は心身ともにゆっくりと過ごしているようだ。 まりさも同様である。 また、少ない会話時間は、まりさとありすの二匹が中心となっていった。 会話の種は、主に男の虐待についてである。 二匹の話によると、最近男は昔三匹が受けた虐待を繰り返しているらしい。 虐待のバリエーションが尽きてきたのだろうか? しかし、そんなことはこちらには関係ない。というか、寧ろ好都合であった。 一度受けたということは、対策を立てられるということなのである。 そのため、まりさとありすは、毎日のように虐待対策を話し合った。 これこれこうすれば、あまり痛くないんじゃないかな? 明日はきっとこの虐待をしてくるわよ!! そろそろ“はこ”を使ってくると思うよ!! 今日この虐待をしてきたわ!! 読み間違えたわね!! ゆゆっ!! あの虐待は、こうするとあんまり痛くなかったよ!! そこにれいむの入る隙間はなかった。 二匹の中が急接近したこともあって、微妙に除け者にされていると感じ、なかなか入って行けなかったのだ。 それに話は虐待関係についての事ばかり。 虐待を受けていないれいむには、心情的に入り辛い話だ。 それでも寂しくてなんとか会話に参加したこともある。 まりさもありすも、れいむを決して仲間外れにしたりはしない。 しかし、いつの間にかれいむ一匹が、置いてけぼりにされてしまうのだ。 二匹も悪気があってしているわけではないのだろう。 実際、れいむにも話を振ってくれている。 しかし、虐待関係の話を振られても、れいむには応えられることは限られているし、れいむも熱心に話している二匹に、水を差すことは出来ない。 れいむと違い、二匹には命の危険性があるのだ。我儘で話を変えるなんてことが出来るはずがない。 結果、れいむがいつのまにか零れ落ちてしまうのである。 れいむは焦っていた。 最初はありすとまりさが急接近してしまうことにだけ目が向いていた。 しかし、今ではもっと重大な局面に差し掛かっている。 れいむの存在そのものが揺らいでいるのだ。存在が希薄になっているのだ。 まりさとありすが接近すれば接近するほど、れいむの居場所がなくなってくるのだ。 しかし、れいむには分かっていた。自分の居場所を取り戻す方法を。 簡単である。 れいむも虐待されればいいのだ。 虐待されれば、れいむも二匹に負い目を感じる必要はなくなるのだ。 二匹と共にゆっくり会話に興じれるのだ。 居場所を取り戻すことが出来るのだ。 しかし、どんなに頭では分かっていても、やはりれいむには言えなかった。 一言男の前で「きょうはれいむをぎゃくたいしてね!!」と叫べばいいだけである。 先日、男は「そろそろれいむを虐待したいなあ」なんて言葉を口にしていた。 れいむが言えば、どんなにまりさとありすが反対しようと、男はれいむを虐待してくれるだろう。 存分に可愛がってくれるだろう。 それでも……れいむには言えなかった。 虐待は怖い これがれいむの心を、体を縛っている。 今の状況はれいむにとって、辛く苦しかった。居場所のない自分が悲しかった。なんとしても変えたかった。 しかし、そのために虐待を受けるということが、どうしても出来ないのだ。 平穏に慣れすぎたれいむにとって、男の虐待はすでに死よりも恐ろしいものとなってしまっていたのである。 そんなれいむに転機が訪れたのは、その少し後であった。 れいむが虐待を受けなくなってちょうど一月が経過したころ、ありすがあることを口にした。 いや、ようやく口にしたと言うべきだろうか? その日はありすが虐待される日であった。 いつも通り連れて行かれ、一時間が過ぎると部屋に戻された。 まりさがそんなありすに声をかける。対してありすも大丈夫だと、まりさとれいむを安心させる。これもいつも通りの様子である。 しかし、本来ならこの後ありすは体を回復させるために休息に入るのだが、その日ありすは中々寝ようとしなかった。 まりさが言葉をかけても、壁越しにモジモジしているのが、何となく感じられた。 それはしばらくの間続いた。 そして、ありすはようやく意を決意したのか、ありすが「まりさ!!!」とひと際大きな声で呼びかけた。 「ゆっ!! どうしたの、ありす!!」 疲れているというのに突然大声を出してくるありすに、驚くまりさ。 「まりさ!! まりさにきいてほしいことがあるの!!」 「ゆっ? な〜に、きいてほしいことって?」 「あ、ありすと!! ありすといつまでもゆっくり…………」 そこでありすの言葉はピタリと止まってしまった。 まりさはしばらく待ち続けたが、いつまでもありすが続けてこないので、不審に思ったのか、聞き返してきた。 「ありす? どうしたの、きゅうに?」 「……」 「ありす?」 「……」 「ありすってば!!」 「……まりさ、ごめんね!! やっぱりいまのことばはゆっくりわすれてちょうだい!!」 「ゆゆっ!! どういうこと、ありす!! なにをいおうとしたの? ゆっくりおしえてよ、ありす!!」 「やっぱりいまはいうときじゃないから、ゆっくりやめておくわ!!」 「ゆぅぅ……そんなこといわないでゆっくりせつめいしてよ!!」 「もっとゆうきがでたら、そのときいまのことばのつづきをいうわ!!」 「ゆうき?」 「ごめんなさいね、まりさ!! ぜんぜんとかいはらしくなかったわ!! いつかぜったいいうから!! ぜったい!! ぜったいっ!!」 「ゆぅぅ……ぜったいだよ!! やくそくしたからね!! よくわからないけど、いつかゆっくりせつめいしてね!!」 「ええ、ぜったいにいうわ!! ゆっくりやくそくよ!!」 そう言って、ありすは寝てしまった。 ありすが言おうとした言葉。 まりさには最後まで分からなかったようだが、れいむにははっきり理解できた。 “ありすといつまでもゆっくりしていってね!!” これがありすが言おうとしていた言葉であろう。 ゆっくりしていってねと言っているが、言葉通りの意味ではない。 これはゆっくり社会で俗に言うプロポーズの言葉である。 ありすはまりさに告白をしようとして、結局途中で怖くなって言いそびれてしまったのだろう。 同じゆっくりを愛している者同士の勘だろうか? れいむには痛いほど気持ちが理解できた。 理解できた反面、れいむの焦りは頂点に達した。 まりさとありすが結婚する。 それは今以上にれいむの居場所を無くしてしまうことになってしまうからだ。 無論、ありすがしっかりプロポーズしたとしても、それをまりさが受けるとは限らない。 れいむの杞憂に終わるかもしれない。 しかし、追い詰められたれいむには、最早その可能性だけで充分であった。 なんとしてもまりさとありすの結婚を阻止しなければならなかった。自分の居場所を守るために。 そのためにはどうすればいいか? まず真っ先に思いつくのが、ありすにプロポーズの言葉を言わせないことである。 言わせなければまりさが受けることもあり得ない。 しかし、どうすればありすに言わせないようにすることが出来るのかが、れいむには思いつかなかった。 ありすに告白するなと言っても、聞きはしないだろう。 逆に、なぜそんなことを聞くのかを問い詰められ、れいむの思慕をありすに知られる恐れがある。 そうなれば、ありすはれいむに負けじと早々にプロポーズをしてしまうかも知れない。本末転倒である。 絶対ありすに、れいむの気持ちを知られることがあってはならない。 ならば、ありすの評判を下げるのはどうだろう? ありすが虐待されている間や、寝ている間を見計らって、まりさにありすのあることないことを焚きつけて、ありすの評価を下落させる。 ……却下。問題外である。 まりさは馬鹿ではない。そんなことをしても、決して信じることはないだろう。 逆にそんな嘘を付いてくるれいむの評価を落とすことになりかねない。 唯でさえ存在が薄くなっているのに、まりさに見捨てられてしまったら、れいむにはこの先生きている意味すら持てなくなってしまう。 それにこの案は、そもそもれいむ自身も気に入らない。 ハッキリ言って、れいむのやろうとしていることは、ありすに対する裏切りに近い行為である。 しかし、それでいてなお、れいむはありすとの友情を捨てきれていなかった。 調子のいいこととは理解しつつも、ありすと親友でいたかった。 ありすの悪口を陰口するなどしたくはなかったのだ。 ならば、最後はこれしか考えられない。 れいむは自分がまりさを好きなことを、ありすに教えていない。これはある意味アドバンテージだ。 更に言えば、ありすはれいむよりまりさに近い位置にいる。れいむに危機意識の欠片すら抱いていないだろう。 だから…… ありすがプロポーズする前に、れいむがまりさにプロポーズをする!!! ありすのあの調子からするに、明日明後日にでも、すぐにプロポーズしてくることはないだろう。 ならば、先にれいむがまりさに告白し、まりさが受けてくれれば安泰どころか、愛するまりさと一緒になれて、一石二鳥にも三鳥にもなりえるのだ。 無論、ありすより先に告白したとしても、まりさがれいむのプロポーズに答えてくれるとは限らない。 限らないが、ありすのプロポーズを阻止できない以上、この手しか残されていなかった。 始めて出会った時こそ、まりさとの結婚など1%の可能性もない妄想にすぎなかったが、2か月近くをいっしょに過ごしたれいむなら、まんざら可能性のない話ではないだろう。 どうせこのまま何もしないでいても、何も変わらないか、ありすに取られてしまうかのどちらかだ。 それにありすがいつプロポーズをするか分からない以上、考えている時間もあまりない。 れいむが、一生に一度の決意を固めた瞬間であった。 とは言え、今のれいむとまりさとでは、あまりにもつり合いが取れていなかった。 まりさは二日に一度虐待されているのに対し、れいむはその恩恵をただただ甘受しているニート生活。 れいむもまりさと同じ舞台に上がる必要があった。 怖かった。とてつもなく怖かった。 しかし、れいむに道は残されていない。 れいむは、ようやく虐待を受ける覚悟を決めた。 その6へ
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ゆっくり探偵~安住を許されないゆっくり一家 まずはじめに夜中にゆっくり一家の巣に忍び込み、一匹だけをまるかじりで無残に食い散らかす。 朝方になってゆっくり共が起き出して事件が発覚する。 パニックになったところで探偵役として参上。 この巣の地下にはゆっくりヤマメが住んでおり、 食べられるだけじゃなく感染症も起きるからこの巣から引っ越したほうがいい、と吹聴する。 馬鹿なゆっくり共は話を真に受け恐怖に怯え安住の地を捨てあてもなく彷徨う。 あらかじめ用意していたGPSを母親ゆっくりの頭部に忍び込ませておくのも忘れずに。 ようやく新しい巣を見つけて安心したその夜に忍び込み、再び一匹を噛み砕く。 翌朝も同じ内容の嘘をゆっくり共に聞かせ、「ゆっぐりでぎないよ!」 「ゆっぐりでぎるおうぢが欲じいよー!」と泣き顔で再び引っ越しを始めるゆっくり一家。 引越し→ストーキング→捕食→引越し・・・の繰り返しで、 一日たりとて安住の地を作らせずに見えない不安と恐怖で真綿を絞めるように 数ヶ月かけてゆっくりとゆっくり一家を絶やす。ゆっくりできなかった結果がこれだよ!
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家に帰ったらゆっくりれみりゃがいた。 笑顔で「うー!うー!」と言いながらよってくる。 うるさいので蹴飛ばしたらみぞおちにヒットした。 吹っ飛ばされて部屋の壁に当たる。 こいつは笑顔を崩して「う”-!!う”-!!」と泣き喚く。 赤い目から涙が流れ出て鼻水らしき液体も駄々漏れ。 所々で「ふごっ」と鼻をすする。汚い豚だ。 せっかくのお洋服がぐしょぐしょになってしまった。 ?ぐしょぐしょ?そうか。 俺はいい事を思いついた。次の作業に移るためにれみりゃにやさしく声をかける。 「う”ぁー、うぁぅ・・・」 「よしよしごめんよれみりゃ、痛くなかったかい」 「がぉー!い~たかぁ~ったぞぉ~!」 れみりゃは蛸のようなぐねぐねした腕を精一杯伸ばしてずれた帽子を直す。 上目遣いのれみりゃは顔をぐずつかせてご機嫌斜めのようだ。 「ほんと~に勘違いしてたよ、ごめんな」 そう言ってよしよししてやる。 れみりゃは暫くふてぶてしい表情をしていたが、 やがて俺がもう危害を加え無いと判断したのかご機嫌を取り戻していく。 「うっう~うぁうぁ♪」 不可解な音頭を取り笑顔になるれみりゃを連れて浴室へ。 俺はれみりゃを脱がして服を洗濯機に入れる。 「うぁ~、えっち☆」とぶりっ子のポーズを取るれみりゃ。 殴り殺したくなる所を抑えて風呂でシャワーを浴びさせる。 そこで俺は観察した。 このゆっくりは一体何だろう。 肉まんと呼ぶには人間に限りなく近い。 3頭身程度だが体温も髪質も人並み。 人の言葉を解して拙くとも喋る。 手足は五本指で爪もある。人の犬歯よりやや長い牙を持つ。 何より帽子や服は本当の布でできていた。 誰の差し金で俺の所に来た? そもそもこいつは生物なのか? ゆっくりゃの目は赤く、頭は不自然に大きい。 顔のパーツは上よりになっていて、髪を引っ張ると痛がる。 「ぃたぃ、ぃたぃ、ぅー・・・がぉ!」 牙を向いて腕に噛み付くが全く痛くない。 俺はゆっくりの顎を無理やり残る手で開かせてゆっくりゃの体を洗う。 裸のゆっくりゃは肌色で人間の幼女と変わりない。 生殖器もついでに開いて見ると人間のそれと似ている。 「ゃぁ~だぁ。だめだぉぅ。がお~ぅ・・・」 ゆっくりゃは顔を赤くしてうつむく。 この不相応な大きさの頭を除けばこれは人間の幼女と同じだ。それなら・・・ 仮説『適当なプロセスを選べばいくらでも人間の形に近づけることができるだろう』 俺はこいつのシャワーを終えると一人で良いアイデアがないか考えることにした。 ゆっくりゃは大きな頭をぶるんぶるん振って髪の水気を取ろうとしている。 「がぉー、水きらい!ざぐやぁ!ふげふけ!」 うるさいよこの豚。 俺は睨みを利かせて黙らせた。 リビングで乾いたゆっくりゃに服を着せずに放置しておく。 裸でも良いらしく相変わらずうぁうぁ踊っている。 俺は500ml紙カップ入りのコーヒー牛乳を飲みながら考えた。 あの顔には肉まんの中身が詰まっているのだろう。 噂ではゆっくり種は30%程度の中身を失うと死ぬらしい。 そして中身を他の部位に移し変えれば生きているそうだ。 だとすれば・・・・。 やるべきことが決まってきたので早速準備に取り掛かる。 肉まんを幼女に転生させるのだ。 しかし幼女にすることが目標ではない。 肉まんを審美眼に堪え得る存在に昇華させる事が目的なのだ。 準備品はは家にあるものだけで十分だった。 包丁、おたま、肌色の縫い糸と縫い針、接着剤、新聞紙、プリン、やさい、これが全てだ。 早速実行に移す。ゆっくりゃは退屈してきたのかテディベアのような姿勢で座り込んでいる。 顔からはよだれと涙が垂れており、食欲が湧いている。 「うぅ~、は~らぺ~こだぞぉ!」 俺の視線に気づくと床を叩いて 「さぐや!おやづ!」 とねだる。赤い眼は薄く濁り、ふてぶてしい表情を浮かべている。 俺は用意したプリンを見せる。 「よし、こっちおいで!プリンがあるよ!」 「ぷりん?ぷでぃんがあるの?う~!だべどぅ♪」 笑顔で転がりながらやって来る。 ごろごろしたゆっくりゃを片手で止める。 俺はプリンをすくってこいつの目の前までもっていく。 もう片手にはやさい(キャベツ)を隠しておく。 「あ~ん♪」 「これあげるっ」 隠しておいたキャベツを思いっきりゆっくりゃの口の中に押しこむ。 一瞬「ごぼっ」と音が聞こえ、ゆっくりゃはもがく。 「ん”-------!!!!!!!ん”ん”--------!!!!!」 手足をジタバタさせるゆっくりゃ。 俺は翼を手でもぎ取り、余った顎を包丁で開き、中の肉をお玉で一気にこそぎとる。 キャベツが芯になってやりやすい。 まるでケバブを調理する感覚だ。 キャベツを含んだ口の袋を残して肉といくつか皮を新聞紙の上に取り出す。 頭だけでこいつは40%の肉をもっているだろうから注意する。 「ぐっ!!!ん”ん”ん”!!!!ぶぅー!!!」 今度は胸を切開する。暴れるれみりゃ。 「暴れると余計痛いぞ」 そう言うと鼻息荒くもれみりゃはじっとしようと耐え始めた。 何もない胸にまず切り取った顎の皮を縫い付ける。 皮にゆとりができたのでさっきの肉を接着剤と混ぜて詰め込む。 この作業を二回繰り返して胸を作った。 そこそこ上手くできたのでさらに接着剤で胸のの手術跡を塞ぐ。 次は空きっぱなしだった顎を整形させる。 ゆっくりゃの頭の大きさを直すために頭を思いっきり押さえつける。 切り開かれた顎の下から肉がめきめき出てくる。 ゆっくりゃは前にも増してじたばたする。 「☆★♪!!!!!!!??!?!#$#”$%」 キャベツをそろそろ取り外してやる。 「ぎゃぁ”””””””!!!!ぶでぃんだべずるっふーげふ」 顎が塞がれていないので上手く喋ることができない。 大きな顎と頭のラインを整えるために出てきた肉と余った皮を切り取る。 喉を押さえつけて皮を思いっきり引っ張る。 頭が普通の人間位の大きさになってきたのでまとめて包丁で切除、縫合、接着。 「い”だぁあああああああああああああい”よぉおおおおおおおお!!!!!」 出来上がったゆっくりゃの顔は引っ張って作ったせいか垂れ目で口は鯉のようだ。 全体のシルエットは胸のある幼女といった所。 「ぷでぃんたべる!!!!!!」 幸い言語はちゃんと喋れるようだ。 しかし細かい所まで処置できなかったので所々おかしな箇所があるがそれはどうでもいい。 こうしてゆっくりゃの人間化は一つの節目を迎えた。 残った肉と皮は全体の15%程度で、どうするべきか悩んだが捨てることにした。 「すでないでぇええええええええええ」 ゆっくりゃが泣き付いてきたが食べさせるとまた元通りになりそうだったので無視した。 足元に抱きつきながらずるずる引っ張られるゆっくりゃ。 ああ、かわいい、かわいいよ。 数日後。 ゆっくりゃはそのまま変わった所も無くいつものようにうーうー踊っている。 たとえ形が変わっても精神が変わるには困難を要する。 あれからやさいしか与えていない。もしゆっくりを与えるとすぐに元に戻ってしまうだろう。 仮に与えても口が小さくなったから丸かじりできない。 野生に放すともう捕食すらできないだろう。 「ぶでぃんだべどぅ!やざいいだだい!ざぐや”!!!!う”----------!!!!!」 じたばたするゆっくりゃも毎度の事となった。 俺がこの存在を育てていくのだ。